参議院議員 伊波洋一オフィシャルサイト

イハ洋一 Official Web site

活動ブログ

高江のヘリパッド建設は日本環境管理基準JEGSに違反する(その1)

2017.05.22

 

ハイサイ!  グスーヨー(御衆様) チュー(今日) ウガナビラ(拝なびら)。

皆さま、こんにちは。前回、ブログ開設で報告しましたとおり国政報告のページを設け、所属する外交防衛員会等の委員会質疑議事録や委員会ビデオ映像、配布資料などを知ることができるようにしました。
すでに2017年の通常国会が始まっており、2・3・4月も委員会がありましたが、現時点では16年9~12月の臨時国会の委員会関連の掲示しかできてないので早急に掲載します。
掲載した16年臨時国会の外交防衛委員会で何を質疑してきたのかを紹介します。

まず、10月20日の外交防衛委員会で在日米軍基地や在日米軍人・軍属と家族に対して地位協定上の例外を除いて日本国内法が適用されていることを外務省に確認させました。

森健良北米局長が、「在日米軍の施設・区域は日本の領域でございまして、施設・区域内においても我が国の法令は適用されると。ただし、その執行に当たっては、日米地位協定第三条によって、米国に与えられている管理権との調整が必要となると、これが法制でございます。さらに、個人としての米軍人軍属、その家族の行動に対しては、施設・区域の内外を問わず、日米地位協定上適用除外が認められる場合を除き、我が国の法令が適用されるというふうに理解しております。」と答弁しました。

日米地位協定でも、「第16条(日本法令の尊重義務)日本国において、日本国の法令を尊重し、及びこの協定の精神に反する活動、特に政治的活動を慎むことは、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の義務である。」と定めて、日本の法令を尊重する義務を課しています。ですから、米軍基地内でも日本の法令が遵守されなければなりません。

閉会中の16年9月9日に北朝鮮が行った核実験に抗議決議を行うため9月14日に開催された外交防衛委員会では、政府が強行的に進める高江の貴重な自然の森を切り拓いて進めるオスプレイパッド建設工事に関して貴重な自然環境を破壊するものであるとして即時中止を求めました。
沖縄本島北部のヤンバル(山原)の森には多くの自然林が残されており、9月15日には特別保護区を含む「やんばる国立公園」が告示されました。4千種を超える多様な野生生物が生息し、固有種や絶滅危惧種を含む希少種の宝庫です。ユネスコの「世界自然遺産」としても登録申請が行われる予定です。
現在、政府・防衛省がオスプレイパッドの建設工事を進めているN1地区、G地区、H地区がある米軍北部訓練場は、「やんばる国立公園」とモザイク状に接しており、入域が制限されてきたためにより貴重な自然が残っています。

既に、オスプレイの普天間基地配備以降これまでに、高江集落の学校や住宅へのバードストライク等によりノグチゲラの死亡例も五件確認されました。特に、今、政府が建設工事を強行しようとしているG地区、H地区では、防衛局自主アセスにおいて絶滅危惧種ノグチゲラの営巣が二十七か所確認されています。

米国連邦議会は、米軍の活動が絶滅危惧種の生息するような貴重な自然環境を海外において壊すことがないよう、一九九一会計年度国防授権法で国防省に義務付け、一九九六年から実施されています。我が国では日本環境管理基準が適用されています。

日米政府は、二〇〇〇年九月十一日に環境原則に関する共同発表に合意しました。同発表は、「環境保護及び安全のための在日米軍による取り組みは、日米の関連法令のうちより厳しい基準を選択するとの基本的考えの下で作成される日本環境管理基準(JEGS)に従って行われる。その結果、在日米軍の環境基準は、一般的に、日本の関連法令上の基準を満たし又は上回るものとなる。」と明言しています。

このJEGSの第十三章、自然資源及び絶滅危惧種の三の三では、「重要な陸地または水域をもつ軍施設は、しかるべき日本国政府当局との調整の後、自然資源管理計画を作成するものとする。」とし、三の四では、「しかるべき日本国政府当局との調整の後」に「調査」をしたり、「自然資源管理計画を実行する」と規定した上で、対象の絶滅危惧種としてヤンバルクイナやノグチゲラを明記しています。

JEGSは、絶滅危惧種や希少種、天然記念物などの生息域の保護を義務付けています。JEGSの規定に基づく質疑は、議事録で確かめて下さい。

最後に、岸田文雄外務大臣は「我が国としましては、御指摘の点も含めて米側がJEGSに基づいてしっかりと対応するよう働きかけていく、これはあるべき姿として重要であると考えます。是非、御指摘の点も含めて、米側にしっかりとした働きかけ、続けるべき課題であると考えます。」と答弁しました。

国内の米軍基地問題を考える時に、米国防総省が在日米軍に課している環境や絶滅危惧種などを守る米軍の守るべき義務に立脚して解決を求めていくことも有効な方法になると考えています。

JEGS文書およびノグチゲラ分布図(アセス)