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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2016年10月27日)

2016.9.26~12.17 第192回臨時会

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伊波洋一君

沖縄の風の伊波洋一です。

パリ協定は、主要排出国を含む全ての国々が削減目標を持って参加する画期的な気候変動枠組条約です。離島を含む島々から成り、気候変動の大きな影響を受ける沖縄県民として、沖縄の風としてもパリ協定の批准に賛成いたします。

沖縄県米軍北部訓練場オスプレイパッド建設工事について伺います。

前回、深山局長は、防衛省が二〇一二年一月十九日に公表した普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書を例に、CH53よりも騒音レベルが低いとおっしゃっています。しかし、同じ資料の第六章六・五、周波数では、皆さんのお手元の資料、一番最初のページでございますが、CH53とMVオスプレイの飛行に伴う低周波について比較し、オスプレイは圧迫感や振動感による不安、不快感に関わる心理的影響の基準を一部の地域で超えており、窓ガラスなどがたがた振動する物的影響では、二十ヘルツ帯で全地域が基準を超えています。評価しているのは飛行中のオスプレイからかなり離れた場所であります。このことは極めて重要です。オスプレイの離発着や飛行で、ヘリパッド周辺の森では空気伝播によってあらゆるものが振動にさらされるということです。営巣中のひなや卵も例外ではないでしょう。

昨日、参議院議員会館の会議室で、琉大の渡嘉敷健准教授が高江N4で録音したオスプレイ騒音で低周波を再現し、卵に模した白い白球が跳びはねる様子を見せてくれました。また、米側資料、CH46より音量が小さいとおっしゃいましたが、配備された沖縄の実態とは懸け離れています。引用された数値は固定翼モードと転換モードですが、同じ資料の次のページのホバリング時、エンジンテストの騒音比較では、いずれもオスプレイの騒音がCH46よりもはるかに大きくなっています。後ろの方の資料となっています。

深山局長、防衛省の資料の一部をつまみ食いするような答弁は不適切だとは思いませんか。

政府参考人(深山延暁君)

お答え申し上げます。

先日御説明いたしました際は、御指摘のとおり、議論が上空飛行時を中心としておったと認識いたしましたので、また時間も限られておりましたので、巡航時における騒音比較について述べさせていただきました。

御指摘のとおり、まず、議員から今配付もいただいているところでありますけれども、私が引用した資料の次のページに、着陸地点から五百フィートにおける着陸時の騒音につきましては、騒音最大値で比較すれば、CH46は七十九デシベル、オスプレイが八十三デシベルとなっております。また、ホバリング時におきましては、数値がありますのを一点だけ取りますと、ホバリング中心点から五百メートルにおける騒音は、騒音最大値で比較すれば、CH46は七十七・二デシベル、オスプレイが八十四・五デシベルとなっております。それは御指摘のとおりでございます。

伊波洋一君

騒音、低周波、熱風など、CH46やCH53よりオスプレイの環境被害が上回ることは、沖縄県民の被害実態だけでなく数値上からも明らかです。

特に、普天間の評価書で低周波の物的影響が出ていることは営巣内を含めて森のあらゆるものが激しく振動するということであり、オスプレイのノグチゲラへの影響は計り知れません。

文化庁は、CH53を前提とした自主アセスを基に建設工事に同意をしていますが、オスプレイの高熱排気の影響や低周波振動などの影響を含めて再協議をすべきではありませんか、改めて伺います。

政府参考人(藤江陽子君)

前回の質疑でもお答えいたしましたように、文化庁といたしましては、那覇防衛施設局長に対しまして、事業の実施に際し、工事中及び供用後のモニタリング調査の結果を適宜沖縄県教育委員会へ報告し、必要に応じ対策を取るということなどの配慮事項を示して、沖縄県教育委員会と適切に協議することを那覇防衛施設局長宛てに依頼しているところでございます。

文化庁としては、このモニタリング調査の結果を踏まえ、沖縄県教育委員会と連携を図りつつ対応を検討することが適当であるというふうに考えております。

伊波洋一君

特別天然記念物を保護するという文化庁がモニタリング調査を評価する視点というのはどのようなものでしょうか。

例えば、建設予定地のそれぞれのノグチゲラの個体がどのような影響を受けていたのか、あるいは個体の総数が増えたのか減ったのか、モニタリング調査で明らかにすることができるでしょうか。それができなければ、結局、オスプレイの運用による影響がないということも明らかにならないと思われますが、文化保護行政の在り方としてそれでいいのでしょうか、お答えください。

政府参考人(藤江陽子君)

先ほども申し上げましたように、そのモニタリング調査の結果を踏まえ、沖縄県教育委員会と連携しつつ対応を取ることが適当であると考えております。

なお、天然記念物に指定されました動物の個体数の顕著な減少傾向等が見られる場合には緊急的な調査等の対応を行う必要が生じるものというふうに考えておりますけれども、ノグチゲラにつきましては、現在、沖縄県教育委員会からそのような報告を受けている状況にはございません。

引き続き、沖縄県教育委員会や関係省庁と連携を図りつつ、天然記念物の保護のために必要な取組を行ってまいりたいと考えております。

伊波洋一君

今日資料として配付してございますように、この地域は本当に生物多様性に富んでいます。それらの森が全て振動が伝播をして揺れていくと、こういうことでありますので、この件について引き続きまた質疑をさせていただきます。

ありがとうございました。