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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2017年3月30日)

2017.1.20~6.18第193回常会

伊波洋一君

沖縄の風の伊波洋一です。
在外公館法案については、沖縄の風としても賛同いたします。

沖縄にも特命全権大使がいます。先月、二月二十五日、岸田外務大臣の主催で那覇において外務省沖縄事務所の開設二十周年式典が行われました。
外務省沖縄事務所の設置経緯、目的はどのようなものでしょうか。

政府参考人(防衛省 森健良君)

お答えいたします。
今委員から御指摘のありましたレセプションでございますけれども、これは沖縄事務所の開設二十周年に当たりまして岸田大臣の主催で開催させていただきまして、委員を含めて多数の方々に御出席をいただきました。

事務所の開設の経緯でございますけれども、これは沖縄県に米軍の施設・区域が集中している現状及び沖縄県からの御要望を踏まえまして、平成九年に沖縄担当大使を長とする外務省の出先機関として設置したものでございます。

この米軍施設・区域の集中などを踏まえまして、外務省沖縄事務所におきまして、米軍に係る問題につき、地方公共団体等の御意見を伺い、在沖縄米軍との連絡調整を行うといった業務を実施しております。また、それ以外にも、沖縄の魅力を世界に発信すべく、沖縄の自治体の国際交流事業に対する支援などを行っているところでございます。

伊波洋一君

私も設置当時から歴代大使にお会いしてきました。米軍基地に対する沖縄県民の声を受けて、在沖米軍など米側へ改善すべきことを伝えて改善していくことが主要な目的の一つです。
一方、現状は沖縄事務所への米軍関係抗議件数が年々増えて、二〇一四年九十七件、一五年百五十二件、一六年二百四十一件に上ると報じられるように、その目的が十分に果たされているとは言えない状況だと思います。是非ここら辺についてはまたこれからも検討していただきたいと思います。

さて、政府の普天間飛行場負担軽減推進会議については、昨年七月二十一日に本体、そして八月三十一日に作業部会が開催されて以来、半年以上も開かれていません。沖縄県は政府に対して普天間飛行場負担軽減推進会議の再開や米軍関係事件・事故対策協議会の設置を求めていますが、政府は応じていません。政府は、普天間の負担軽減を辺野古新基地建設とリンクさせ、新基地建設に協力しない沖縄県とは負担軽減を協議しないということなのでしょうか。

内閣府及び防衛省に伺います。普天間飛行場負担軽減推進会議の早期再開や事件・事故対策協議会の設置について対応すべきではないでしょうか。

内閣府副大臣(石原宏高君)

沖縄県宜野湾市から、現在、負担軽減推進会議及び作業部会についての開催、再開の御要請がございます。現在、沖縄側でこの会議における要望の議題等について県と市の間で調整をお願いしておりまして、その調整が整えば適切なタイミングで開催をさせていただきたいというふうに考えております。

委員長(宇都隆史君)

防衛省、どなたがお答えになりますか。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。
今御指摘の普天間飛行場負担軽減推進会議、これ、当時の仲井眞知事、そして宜野湾市長の御要望に基づきまして、二十六年の二月に設置をされたものであります。これまで、普天間飛行場の辺野古移設までの間における普天間飛行場の危険性除去を中心に負担軽減が極めて重要な課題であるという認識の下で、沖縄県及び宜野湾市と協議をしてまいっております。

今委員御指摘のとおり、昨年八月に行われました同推進会議の作業部会におきましては、普天間飛行場の負担軽減の取組状況について政府から詳しく御説明をいたしました。また、県、そして宜野湾市の方から、五年以内の運用停止、あるいは普天間の危険性除去、負担軽減の一環としての騒音軽減といった問題への対応といった要望がなされ、意見交換を実施したところでございます。

政府としては、引き続き、沖縄県及び宜野湾市からの御要望については、相手のあることではございますが、できることは全て行う、目に見える形で実現するという方針の下で、沖縄県及び宜野湾市からの理解が得られるよう誠実に対応していきたいと、このように考えてございます。

伊波洋一君

是非、両会議、協議会共に沖縄の負担軽減のために早急に開催をして取り組んでいただきたいと思います。

さて、先週土曜日、三月二十五日、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で三千五百名を超える県民が参加をして、違法な埋立工事の即時中止、辺野古新基地建設断念を求める県民集会が開催されました。翁長沖縄県知事も辺野古での同県民集会に初めて参加し、沖縄の新しい闘いがまた始まるということで私も参加した、我々は心を一つにし、辺野古新基地は絶対に造らせないと語り、辺野古埋立ての承認撤回にも言及しました。

一方、菅官房長官は、二十七日の会見で、翁長沖縄県知事が辺野古新基地に関する埋立承認撤回に踏み切った場合は、国として損害賠償請求の行使を講じることはあり得ると発言をしました。県民感情を逆なでするような発言であり、政府として真摯に沖縄に対応する姿勢からは程遠いものと言わざるを得ません。自治体首長個人に対する損害賠償請求によって住民の民意に基づく自治を牽制するということは、民主主義の否定、地方自治否定の暴言であり、発言を撤回するよう沖縄の風として強く抗議いたします。

金田法務大臣は翌二十八日の会見で、知事個人に対する損害賠償請求について、防衛省など関係省庁とも検討していると発言しています。防衛大臣、防衛省は知事個人への損害賠償請求について具体的にどのような検討を行っているのでしょうか。

防衛大臣(稲田朋美君)

まず、官房長官は先日の会見で、あくまで一般論として、行政の長が法令によって与えられた権限をその法令の目的とは異なる目的で行使することは権限の濫用であって違法である、そのような違法な行為に対して、国として損害賠償請求権の行使を含め、法令に基づく所要の措置を講じることはあり得る旨を発言されたというふうに承知をいたしております。

また、翁長沖縄県知事が先日、普天間移設事業に反対する集会、今委員が御指摘になった集会に参加され、埋立承認を撤回するとの方針を明言されたことは承知をいたしており、そのような動向については注視をしております。

いずれにいたしましても、官房長官はあくまで一般論として発言されたと承知をいたしておりますし、防衛省としては、埋立承認の撤回事由となる具体の事情があるとは認識はしておらず、引き続き工事を着実に進めていく考えではありますが、一方で、沖縄県側の行為によって損害が生じる事態を仮定をしてお答えすることは適切ではないというふうに考えております。

伊波洋一君

沖縄県は、法令を、権限を濫用してこのようなことを行おうとしているわけでは決してないと思います。岩礁破砕許可にしても、それなりの手続を経て県として検討をし、そしてまた法律関係者の方々とも議論をしながら取り組むものだと、このように承知をしております。
ですから、認識の相違があるわけですね。それを一方的な損害賠償請求などに言及するということは、やはり国と県の立場を、溝を更に深めていくものだと、このように思っております。
しかし、先ほどの金田法務大臣の発言があるわけですが、防衛省は、具体的にいつ誰と誰が、今、仮の検討としても検討を行ったということ、もし法務省とあるのならば明らかにしていただきたいと思います。

政府参考人(防衛省 深山延暁君)

お答え申し上げます。
法務大臣の御発言についての御指摘がございましたが、法務大臣は、一般論と前置きしつつ、あらゆる事態を想定して関係省庁とともに検討している旨を述べる一方で、個別な事案についてコメントすることは差し控える旨の発言をされたと承知しているところでございます。

防衛省としても、個別の事案について検討状況等をお答えすることは適切でないと考えておりますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

伊波洋一君

辺野古新基地建設を強行し、米軍の基地負担を力で押し付けようとする安倍政権のやり方は、そもそも米国の、望まれないところには基地は置かないという米軍再編の基本方針に反しています。その結果、何年たっても実現できず、沖縄県民との溝を深めている大きな根本原因だと思います。

また、外務省や防衛省は、二〇〇六年の再編合意に基づくグアム移転の米計画の詳細な内容などを隠し続けてきたように思います。沖縄に負担を押し付ける要因になっています。今後の委員会でそれらのことを含めて質疑をしながら明らかにしてまいりたいと思います。
いずれにしろ、沖縄の基地負担は限界に来ているということを是非御承知いただきたいと思います。