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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2017年4月13日)

2017.1.20~6.18第193回常会国会質問

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伊波洋一君

沖縄の風の伊波洋一でございます。
本日は、総理質疑も予定される中、沖縄の米軍基地問題も含めて質疑したいと思います。
ACSAは、一五年の新ガイドラインの求めに応じて強行された安保法制により、共同訓練や共同作戦が増加することを踏まえて制定されるものです。そうした中で、英国海兵隊員が在沖米海兵隊、キャンプ・シュワブやハンセンにおいて訓練に参加をしていたと二〇一六年七月に報道されました。また、二〇一六年十一月に三沢基地周辺で行われた日英共同訓練、ガーディアン・ノースに英国空軍が参加しています。
英国軍隊の在日米軍施設の使用は安保条約六条に違反するのではないか。また、米軍と異なり、英国軍隊との間に地位協定はありません。米国軍はどのように取り扱われたのか。また、米軍のように地位協定がある部隊と英国軍やオーストラリア軍など地位協定がない部隊とではどのように異なるのでしょうか。
過去十年、一年ごとに公用査証で入国し、日本国内の米軍施設で軍事訓練を行った米国以外の外国軍隊の国別人数、訓練を行った施設・区域名称を明らかにしていただきたいと思います。

政府参考人(防衛省 森健良君)

お答え申し上げます。
まず、今委員の御質問の中で第三国軍隊との共同訓練というお話がございましたけれども、この点についてまず明らかにいたしたいのは、在日米軍の施設・区域は日米安保条約第六条に基づいて米軍に対してその使用を認めているものでありまして、米軍施設・区域において米軍と第三国の軍隊との間の軍事訓練があったということではございません。

一方、施設・区域内における米軍の活動に第三国の人が参加することがいかなる対応であっても安保条約上禁じられているというものではなく、政府としては、在日米軍の施設・区域内における米軍の活動に第三国の人が参加することが同条約上の許容する範囲内のものであるか否かについて、個々の事案に即して判断されるべきと、こういう立場でございます。

御指摘の事例につきましては、これは今申し上げましたとおり、米軍の施設・区域内において米軍の訓練が行われ、これに第三国の軍人が米軍の一員として参加したという事案でございます。同様の事例は、平成二十六年には計三か国から計八名、平成二十七年におきましては計四か国から計十六名、平成二十八年は計三か国から計十四名の事例がございました。これらは、キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンなどにおいて実施されたものでございます。米軍の活動に参加した具体的な国名や国別人数等の詳細につきましては、米国及び当該第三国との関係もございまして、お答えすることは差し控えたいと思います。

伊波洋一君

私たち沖縄においては、過重な基地負担の中で新たなこのような英国軍隊が更に基地を使用することに対して大変懸念を持っております。さらに今回の答弁では日英共同訓練、ガーディアン・ノースはまたそれとは違う趣旨で行われたというふうに理解しているんですが、それについて少しお話しいただけませんか。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。
今委員御指摘の点は、平成二十八年十月から十一月までの間、航空自衛隊が、部隊の戦術技量の向上を図るとともに、英国空軍との相互理解を促進し、防衛協力の一層の深化を図るために、英国空軍の人員約二百名の参加を得て日英共同訓練を実施をいたしました。その際、日米地位協定第二条4(a)に基づいて、日本政府が自ら使用している三沢基地を英軍に使用させたということでございます。

伊波洋一君

それでは次に入りますけれども、グアム移転等について伺います。
政府は、二十年以上前のSACO合意を理由に普天間基地の危険性除去についても辺野古が唯一と言っていますが、アメリカの連邦議会の議論は全く違います。沖縄の海兵隊を取り巻く状況は、兵力は移転できないとされた一九九六年のSACO合意から大きく変わりました。二〇〇六年には八千人の海兵隊が家族九千人と一緒にグアムに移転することが日米合意され、日本の真水二十八億ドルの財政負担と融資を含めて六十億九千万ドルを負担することが協定されました。

しかし、米国連邦上院軍事委員会のレビン委員長、ウェッブ上院議員、マケイン上院議員が、グアムへの常駐部隊駐留は多額の経費が掛かるとしてグアム移転の見直しを求め、日米合意の辺野古移設も非現実として、白紙化による計画見直しを求めてグアム移転費の執行を凍結しました。グアム住民からも反対の声が出されました。

その結果、二〇一二年に、グアムへの海兵隊移転は五千人規模に縮小される一方、海兵隊の国外移転は千名増え、戦闘部隊を中心に九千名がグアム、ハワイ、米本土、オーストラリアなどに駐留することになりました。家族の多くはハワイと米本土に戻ります。同時に、グアムとテニアンでの海兵隊複合訓練場の整備に日本政府が拠出する五億ドルが使われることになりました。グアムは訓練の拠点になります。

ハワイ以西の太平洋では沖縄にしか海兵隊の戦闘部隊の拠点はありませんでしたが、沖縄に加えてハワイ、グアム、オーストラリアの四か所に海兵隊の戦闘部隊MAGTF、海兵隊空地任務部隊が置かれます。実数一万三千人程度の沖縄の海兵隊から戦闘部隊を中心に九千人が沖縄から国外に移転して四か所の拠点に分散される中、抑止力を理由に辺野古が唯一と政府が言い続けることは全く理解できません。

移転後も残留する人数と部隊構成は、辺野古が普天間の代替であるという建前と抑止力の維持というものに関わる最も基礎的な事実です。
第一に、辺野古新基地を普天間代替施設と称しているが、何を代替するのか、グアム、ハワイなど米海兵隊が移転した後もどういう部隊が何人が普天間に残るのか、それを代替するためにどのような施設が必要なのか、全く明らかにされていません。

米国防総省が実施し、二〇〇九年十一月のグアム移転の当初の環境影響評価ドラフト、素案には、第三海兵師団や第一海兵航空団など、実戦部隊が移転することが記載されていました。二〇一〇年の最終環境影響評価書も同様です。しかし、二〇一二年の四月の2プラス2共同発表まで、日本政府は実動部隊は含まれないから辺野古新基地建設が必要だと答弁していました。
例えば、平成十八年五月十二日、衆議院外務委員会で、当時、河相外務省北米局長は、沖縄からグアムに移駐する海兵隊、これは司令部要員でございます、今回沖縄からグアムに移駐する八千名の海兵隊、これは司令部要員でございまして、その意味で、実動部隊はその中に含まれていないと答弁しています。

そこで、質問です。外務大臣、虚偽答弁ではないでしょうか。大臣の御見解をお聞かせください。

外務大臣(岸田文雄君)

まず、二〇〇六年五月に再編実施のための日米のロードマップが発表されていますが、この中で沖縄からグアムへ移転する海兵隊の部隊は、第三海兵機動展開部隊の指揮部隊、第三海兵師団司令部、そして第三海兵後方群司令部、第一海兵航空団司令部及び第一二海兵連隊司令部を含むと記載されています。
要は、司令部要員以外の部隊の移転も示唆されています。このことは、平成十八年五月三十日の参議院外交防衛委員会における防衛庁長官の答弁、あるいは平成十九年三月二十九日の衆議院安全保障委員会における防衛省政府参考人からの答弁、こういった中においても、司令部を含むというような趣旨、あるいは司令部要員に限定されないというような趣旨が含まれており、同様の趣旨が確認をされているところです。

その中で、今委員の方から答弁の御指摘がありました、平成十八年五月二十一日の衆議院外務委員会における河相北米局長の答弁でありますが、これ、議事録を見ていただければ分かると思いますが、要は、当時、照屋委員とのやり取り、イラクに派遣された海兵部隊の議論がずっと続いていたわけであります。
その中で、この第四海兵連隊及び第三一海兵機動展開部隊が沖縄からイラクに派遣された海兵隊の主要部隊であるということを述べるとともに、この二つの部隊が実動部隊である旨、こういった説明が行われています。その流れの中で、この御指摘の点、御指摘の答弁が出てくるわけですが、この御指摘の答弁における実動部隊とは、今申し上げましたこの第四海兵連隊部隊及び第三一海兵機動展開部隊を意味しているものであると考えており、この二つの実動部隊は、この再編実施のための日米ロードマップにおけるグアムへの移転が予定されている各司令部を含む海兵隊の部隊の中には含まれていない、こういった趣旨を説明したものであると考えております。

いずれにしましても、それ以外の答弁は明らかに司令部要員以外の部隊が含まれているということ、こういったことを答弁の中で明らかにしているわけでありまして、政府の答弁として問題があるとは考えてはおりません。

伊波洋一君

私は当時、宜野湾の市長をしておりまして、何度も政府要請もしたわけでありますけれども。
要するに、そもそも二〇〇六年の再編合意は、部隊が一体としてグアムへ移っていくというふうに書かれておりまして、本来ならば、そういう意味では、一体性を持ってですから、実戦部隊が当然行くわけです。そしてアセス、今先ほど申し上げましたように、二〇〇九年ドラフト、あるいは二〇一〇年のファイナルはちゃんと書かれております、その人数がですね、具体的な部隊名、それでヘリが二十五機、MEUセットも含めて。でも、それは政府はずっと否定し続けてまいりました。しかし、実態は、日本の国会の中にも本来の意味でその移転の実態が示されないまま物事が進んできたのだろうと、このように思っております。

そこで、今いろいろと資料も整理しながら質問しているわけですけれども、普天間飛行場周辺や宜野座、伊江島、海兵隊演習場で被害をもたらしている主要な原因は、第一海兵航空団、中でもオスプレイを運用する実動部隊であるあの第三六海兵航空群です。

この部隊は、2プラス2共同発表には明記されていないにもかかわらず、防衛省提供資料に沖縄に残留する部隊としてリストアップされています。しかし、米国議会調査局が二〇一五年一月五日に米国連邦議会に提出したレポート「グアム、米国軍の展開」では、二〇一四年会計年度国防授権法に、訓練のためにグアムに配備される第一海兵航空団のため、アンダーセン基地の格納庫が整備されることが書かれています。その意味では、実際は三六海兵航空群もグアムに移転するのではありませんか。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。

今委員御指摘の米国議会調査局の報告書でございますけれども、あくまで議会の調査局の報告書でございます。アメリカ政府の立場を代弁するものではございませんので、その内容について防衛省としてコメントする立場にはないというふうに考えますけれども、その上で申し上げれば、現在普天間飛行場に所在する今御指摘になりました第三六海兵航空群、これは辺野古に建設中の普天間飛行場代替施設に移転すると、このように承知をしているところでございます。

伊波洋一君

これまでいろいろと決めたことというものがなかなか曖昧になっています。これはアメリカの中でも曖昧になっております。

この中に資料を、GAOの資料と、それから今さっき申し上げた議会調査局の報告書のセットになったコピーがあります。それの一番後ろ、後ろの方は、基本的にこれは予算、要するに、国防支出権限法、予算書なんですね。予算書の理由として何と書いてあるかというと、要するに、グアム予算というのは凍結されておりました。その中で、それは凍結が解けたことによって格納庫の抗堪化というものを、これは米予算ではありますけれども、凍結された米予算をこれに充てることによって一億ドル以上の格納庫建設をするという、そういう予算書になっています。これはもう単なる議会報告じゃないんですね。

私が引用したのは、その予算書の記述の話をしておりますので、今の答弁には納得できませんけれども、しかし、このような形で実際の実態がほとんど明らかにされないままこの間来ていると、このように思っております。そういう意味では、在沖海兵隊のグアム移転の議会報告書に取り上げられているわけで、海兵航空団といってもハワイなどではありません、沖縄の海兵隊。これは海兵隊の移転の文脈で書かれておりますので。

ですから、そこはやはりそういうことをきちんと問合せして報告するよう、本当にそうでないのかということを含めて、委員長、是非委員会への報告をお願いしたいと思います。

委員長(宇都隆史君)

後刻理事会におきまして協議いたします。

伊波洋一君

辺野古新基地建設が普天間代替施設であるとすれば、最低、二〇一二年2プラス2共同発表の九千人の海兵隊の要員がその家族とともに移転するということの合意に沿った内容でなければなりません。
先ほど、四月五日の米国会計検査院報告には、今月のですね、沖縄から移転する海兵隊員は、グアムに四千百人、ハワイに二千七百人、米本土に八百人、オーストラリアにはローテーションで千三百人と書いてあり、オーストラリアのダーウィンに沖縄の千三百人を含む二千五百人の海兵隊空地任務部隊がローテーション配備されるとしています。乾季である四月から九、十月にかけてローテーションが行われるとも書かれております。
その千三百人とは、ひょっとしたら沖縄にも残留する、あるいは沖縄からローテーションされるということにもなりかねないというふうにも読めますけれども、もしそうなら、移転人数が合計七千六百人と減少し、明白な2プラス2共同発表違反ですが、政府の見解を伺います。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。
今委員御指摘になりましたアメリカの会計検査院、これ、GAOが連邦議会に提出した報告書でございます。この中に御指摘のような記載があることは承知をいたしております。
ただ、そういう報告書の性格から、内容の逐一について政府としてコメントする立場にないということでございますが、その上で申し上げますと、二〇一二年四月の日米2プラス2で合意されたとおり、約九千人の海兵隊員が沖縄から国外に移転をするということにされてございます。そして、そのうち約四千名が沖縄からグアムに、そして約五千名が沖縄からハワイ及び米国本土等に移転予定と、こう承知をしているわけでございます。

今、ローテーションのお話がございました。一般論でございますけれども、ローテーションで展開する人数というのと移転する人数というのは別の問題であるというふうには考えてございますが、いずれにしましても、現時点で日本に駐留している米海兵隊の一部が豪州に直接ローテーション展開をするというふうには、現時点では政府としては承知をいたしておりません。

伊波洋一君

政府は、やはり今回、今年度の予算を含めれば千五百一億円以上の財政がこのグアム移転に投じられているわけです。少なくとも、これは国民の税金であります。その意味で、それが具体的にどう使われているかということをきちんと精査をして報告をする義務があると思いますが、今の答弁のように、この間、日本、防衛省は、具体的にはほとんど答えない、あれは米国の資料だからそこに関しては何とも言えないと、こんなようなことで進んでいますが、これではいけないと思うんですね。

そこで、質問を続けます。
そもそも、一九九六年SACO合意は、政府が一九九五年のあの海兵隊員による少女暴行事件を受けて、沖縄県民の基地負担を軽減するために普天間基地を全面返還するものとして、兵力削減はできないから、撤去可能な海上ヘリポート基地を建設するとしてスタートしました。しかしながら、次第に抑止力の維持強化を言うようになり、沖縄の負担軽減がどんどん後退して、安倍政権では新たな機能が強化された巨大な基地である辺野古新基地建設の強行に至っています。

一方、二〇一二年の2プラス2共同発表で、沖縄、グアム、ハワイ、オーストラリアへの米海兵隊の配備で、より高い能力を有する米海兵隊のプレゼンスが各々の場所において確保され、抑止力が強化されると評価しています。二〇一二年四月の2プラス2共同発表でも記載されていますが、先ほどの米国議会調査局レポート「グアム、米国軍の展開」には、幾つかの箇所で、太平洋地域において、グアム、沖縄、オーストラリア、ハワイに司令部、陸上、航空、後方任務の全要素から構成される海兵隊空地任務部隊、MAGTF四つが形成されるということが繰り返し書かれています。

二〇一二年八月一日の下院軍事委員会即応力小委員会では、国防省のヘルビー次官補代理代行が、海上、地上、航空戦闘部隊、後方支援部隊、輸送部隊から成る複数の完全な能力のあるMAGTFを配備し、訓練や演習を向上させるとしております。

そこで質問です。沖縄の海兵隊が分散して四つのMAGTF、さらに、自衛隊が相浦駐屯地に創設する水陸機動団を含むと五つのMAGTFが形成されるのに、多くの県民が反対している辺野古に新基地を押し付けて、沖縄にMAGTFを残す必要はないのではないでしょうか。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。
まず、沖縄の地理的な特性についてまず申し上げたいんですが、沖縄は、米国の本土、ハワイ等と比較をして東アジアの各地域に近い位置にあると同時に、我が国の周辺諸国との間にはこれは一定の距離もあるということで、様々な利点を有しているわけでございます。また、南西諸島のほぼ中央にございまして、我が国のシーレーンにも近いなどなど、安全保障上極めて重要な位置にもございます。

在沖海兵隊のグアム移転後においても、このような地理的な特徴を有する沖縄に高い即応性を有する第三一海兵機動展開隊等の部隊が初動対応部隊として維持されるとともに、在沖海兵隊が増強部隊の来援のための基盤となることによって種々の事態への柔軟な対応が可能となると考えております。したがって、在沖海兵隊は引き続き抑止力の重要な要素として機能すると認識をいたしております。

また、今委員御指摘になりました二〇一二年の2プラス2の共同発表で示された部隊構成、配置、これの基本的考え方でございますけれども、司令部、陸上、航空、後方支援、こういった各要素を備えたMAGTF、海兵空地任務部隊、これを沖縄に加えてグアム、ハワイ、オーストラリアにも配置し、それらを相互に連携させて機動的に運用する、このことによって、アジア太平洋地域における多様な事態に、より柔軟かつ迅速に対応するようにするものであると、このように考えております。したがって、沖縄及び地域における抑止力が維持強化されるものと認識をしているわけでございます。

ただ、これらのことから分かりますように、引き続き地理的な優位性を有する沖縄に海兵隊を維持することそのもの、これは不可欠であると考えているわけでございます。

なお、今委員は陸上自衛隊の水陸機動団に言及されました。平成二十九年度末に新編をされます陸上自衛隊の水陸機動団につきましては、これは、我が国の島嶼を防衛するに当たって、万が一島嶼を占拠された場合に速やかに上陸、奪回、確保するための専門部隊として編成をいたすものでございます。その意味で、世界各地に広範な任務に常時即応できるという性格を持つMAGTFとは性格を異にしているというふうに考えてございます。

伊波洋一君

今の答弁は私は違っていると思いますね。

というのは、そもそも沖縄の距離が近いから、割と適地だというふうに、あるいは離れているからといいますけれども、むしろ、一九九七年の米国防委員会、連邦議会で設置された国防委員会の中で、二〇一〇年から二〇二〇年の間にミサイル部隊、ミサイルが前方展開基地、沖縄を含めて、あるいはグアムまで届くようになるから、それに対して新たな打撃力の形成をするべきだというふうに指摘されております。そのために沖縄から結局撤退しなきゃいけない。今回、オーストラリアに置くのも、ハワイやグアムに置くのも、沖縄はもう、すぐやられちゃうからなんですよね。その辺りのことが全く、本来はそういうのはちゃんと論文なんかにも書かれております。

あわせて、二〇〇五年の合意では、要するに再編合意では、アメリカ軍ではなくて南西諸島の防衛は日本の役割と、島嶼の防衛は日本の役割というふうに位置付けられました。

その意味で、そこで質問です。沖縄の海兵隊が分散され、そして訓練において負担も本来分散されるはずなんです。その部隊が、実際は沖縄で訓練している部隊が沖縄を守らないんですから、その中でその水陸機動団がそのために使われるわけですから、なぜここだけ、グアムにも訓練部隊もつくり、そういう中で、そこで訓練をしようと言っているのに、沖縄にこれだけの過重な負担を維持し続けるのか、そういうことが我々が実感を伴っていない。なぜ基地がそのまま使われ続けるのか、そのことをお答え願いたいと思います。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

繰り返しのお答えになるかもしれませんけれども、二〇一二年の見直しによりまして、これ、アメリカのリバランス政策ということだと思いますけれども、確かに沖縄に加えてグアム、ハワイ、オーストラリアにも配置をすると。そのことによって、全体を相互に連携させて機動運用する、そして多様な事態に柔軟かつ迅速に対応するようにする、これがアメリカ政府の考え方でもあり、我々と合意したところでもあると思っています。

ただ、その中において沖縄が、委員がおっしゃるように、何というか、不要になってしまうということかと申しますと、先ほど申しましたような沖縄の地理的特性の優位性等々も勘案し、そして、沖縄の機能といたしましては、必要な初動対応部隊をきちんと維持をするとともに、増強部隊が来援した場合にはその基盤を提供する根拠になる必要があると、そういう考え方で全体の計画ができていると、このように政府としては考えているところでございます。

〔委員長退席、理事堀井巌君着席〕

伊波洋一君

MAGTFが一つしかなかったのに、ある意味ではMEUが一つしかなかったのに、それが四つに整備されることになって、更に水陸機動団もできて、しかしそれでも沖縄の基地負担は減らないというのでは全く話にならないと、このように思います。
そこで、質問を続けますけれども、米会計検査院、GAOが今年四月の連邦議会に提出したアジア太平洋における海兵隊再編に対する報告書で、辺野古で計画されている日本の千八百メートル滑走路では大型の固定翼機の運用が可能な普天間の二千八百メートル滑走路の代替にならないということが指摘されています。

報告書では、二〇一四年四月に米国防総省が日本政府に両国で立地調査をすることをレターで提案したと、失われる滑走路の機能については、日本政府には別の、より長い滑走路を提供する責任があり、国防総省は沖縄においてこうした滑走路を見出すことができると、米海兵隊と太平洋軍司令部が語ったと書いてあります。

二〇一四年四月に米国からそのようなレターを受けた日本政府は誰ですか。そして、現在、新たな米軍に提供する二千八百メートル級の滑走路の選定が行われているのですか。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。

今委員が御指摘になりました報告書の記載そのものは承知をいたしております。

〔理事堀井巌君退席、委員長着席〕

ただ、御質問にあったレターの問題、そして二千八百メートル級の滑走路の選定に関することも含めまして、これ先ほども申し上げましたが、アメリカの会計検査院がアメリカの議会に対して報告をしている報告書の内容でございますので、その逐一について政府としてコメントする立場にはないということではございます。

ただ、一点補足的に申し上げますと、沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画、これは平成二十五年に作られておりますけれども、この中におきまして、普天間飛行場の返還条件の中に、普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善という項目がここで記載をされてございます。このことは是非御指摘をさせていただきたいと思います。

ただ、現時点において、この点について何か具体的に決まったものがある、案があるということではございません。

伊波洋一君

具体的には国際連合ということを挙げて言っているわけでありますけれども、この十二オプションのうち、一つは沖縄であると書かれています。どこのことでしょうか。さらに、沖縄で新しい基地を建設したり、沖縄で新たな二千八百メートル級の滑走路を米軍に提供することはしないと約束していただきたいんですが、いかがですか。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。
アメリカ政府との個別のやり取りについては、先ほどもレターのお話がございましたけれども、個別のやり取りについてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。

その上で、統合計画におきまして、先ほども申しましたように、普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善、これが返還条件の一つになっているということは政府としては認識をいたしておりますけれども、これについて現時点で具体的に何か決まったものがあるかというと、それはないということでございます。

伊波洋一君

二〇〇六年のロードマップの基になった二〇〇五年の合意、日米同盟・未来への変革と再編では、島嶼侵略に対しては日本自身が防衛し対応すると書かれ、ACSAなど多国間の軍事協力を求めた二〇一五年の新ガイドラインでも、自衛隊は島嶼攻撃を阻止する第一義的な責任を有すると記載されています。これを受けて、長崎県相浦に水陸機動団が創設されます。

この間、当委員会でも議論があったように、自衛隊の水陸機動団が配備されるAAV7は、尖閣には上陸できません。AAV7が上陸し、水陸機動団が奪還を試みるのは尖閣などではなく、沖縄本島や宮古島、八重山などの南西諸島ではないでしょうか。奪還の対象とされる沖縄や宮古島、八重山などの島嶼は、その時点で既に敵に占領され、戦場となっています。だからこそ、水陸機動団は長崎の相浦に置くのではありませんか。

一九四五年の沖縄戦では、その前年、一九四四年に、沖縄防衛の名の下で日本軍が第三二軍を配備し、国体護持のために持久戦として軍は県民に対して軍民共生共死の徹底抗戦を指示したことから、四人に一人とも言われる県民の犠牲を生む悲惨な地上戦となりました。

軍隊があるところが軍事目標となり戦場になるというのが沖縄戦の教訓であり、多くの県民の実感なのです。抑止力といっても、戦争が始まって最初にミサイル攻撃を受けるのは基地など軍事目標です。東京など都市を狙うことは国際法違反となります。沖縄を始め、在日米軍基地や自衛隊の基地が真っ先に狙われる。沖縄の基地周辺住民には、日常の基地被害ばかりでなく、有事の戦争被害も押し付けられているのです。

島嶼防衛を日本の責任と強調する背景には、アメリカのアジア太平洋戦略があります。米国は、中国やイランなど敵を近寄らせない、近寄っても自由にさせないというアクセス阻止、エリア拒否能力に対抗してエアシーバトル構想を作成し、二〇一〇年のQDRで正式に作戦構想として言及して、二〇一五年には国際公共財におけるアクセスと機動のための統合構想、JAM―GCと名称を変更しました。

エアシーバトルは、台湾有事に際して沖縄と日本本土が戦場となり、初期段階では中国のミサイル攻撃に対しては在沖米軍など前方展開力は一時ミサイルの射程圏外に退避し、残された沖縄と本土の自衛隊はひたすら耐えることが前提となっています。最初の中国によるミサイル攻撃で航空自衛隊の七〇%、海上自衛隊の八〇%が失われるというケース、試算もあります。当然、ミサイルによって国民の生命、財産被害、特に基地と隣り合わせの沖縄県民や本土の住民には多くの死傷者が想定されます。台湾を守るという米国の国益のために日本の国民の生命を危機にさらすのがエアシーバトル構想の本質です。

稲田大臣は、平成二十三年十月二十六日の衆議院外務委員会で、米軍のエアシーバトル構想が現実化した場合、その影響が日米のロードマップ、そして米軍の構成に影響を与えるとお考えか、私はエアシーバトル構想が現実化すると米軍が日本から後退したりとか、そういうことになるのではないかという危惧を持っておりますと素直に発言しています。

稲田大臣は、質問です、ロードマップ以降のグアム移転がより大きなアジア太平洋地域における米軍再編展開の計画の下にあり、米軍は沖縄から撤退していくと当時理解していたのではないですか。

防衛大臣(稲田朋美君)

米国のエアシーバトル構想とは、アクセス阻止、エリア拒否、A2AD能力を有する敵対者の打破を念頭に、空軍と海軍の能力統合の課題への取組として打ち出されたものと承知をいたしております。

今委員が御指摘の私の平成二十三年の質問に関しては、エアシーバトル構想によって再編実施のための日米のロードマップの実施に影響があってはいけない、米軍再編をしっかりと進めていくべきだとの趣旨を述べたものでございます。

その上で申し上げれば、日米安保体制の下、在日米軍においては緊急事態に迅速かつ機動的に対応できる体制が平時から取られており、このような在日米軍のプレゼンスは、米国が有する核戦力や通常戦力と相まって抑止力として機能しているものと考えております。

また、地理的な優位性を有する沖縄に、優れた機動性及び即応性を有し幅広い任務に対応可能な米海兵隊や、制空や警戒監視の重要な航空作戦に当たる米空軍といった空軍が駐留することは、日米同盟の抑止力を構成する重要な要素であり、我が国の平和と安全を確保する上で必要なものであるというふうに考えております。政府としては、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄の負担軽減を早期に実現するため、引き続き日米間で緊密に協力しながら米軍再編事業に取り組んでいきたいと考えております。

伊波洋一君

エアシーバトル、オフショアコントロール、前方パートナーシップなどの議論が行われておりますが、これに対する質問はしません。
小野寺元防衛大臣は、今年一月二十六日の衆議院予算委員会で、この弾道ミサイルはアメリカに絶対撃ちませんから、日本だけですからといって、ある国が、これはもう北朝鮮ではないですね、北朝鮮の議論はしていましたので、が攻撃を仕掛けてきた、アメリカとしては、日米同盟だからこれは守るというスタンスを維持してくれることを私どもは信じていますが、もし仮にそうじゃない大統領の発言があった場合、このとき日本は、自分たちは自分たちで守れないという問題に直面すると、米国の動向に強い懸念を表明しました。

そしてまた、東京財団ホームページにも公開されております「米国のアジア太平洋戦略と我が国防衛」という現在の陸上自衛隊幹部が書いている文書ですけれども、中国は、海域、空域支配のために日米同盟の地対艦ミサイル、地対空ミサイル並びに九州から南西諸島の航空自衛隊基地や民間航空機の展開する航空自衛隊基地及び米空軍部隊に弾道ミサイル、巡航ミサイルによる攻撃を繰り返すであろうと、中国の攻撃に対して米軍が打撃しないとするのは、日米同盟を揺るがすことになりかねないと米国の戦略を分析しています。その米国の戦略というのは、いわゆるオフショアコントロール戦略です。その資料をお手元に、「アメリカ流非対称戦争」とかということでやっております。

それは何かというと、基本的に米中戦争を核戦争にエスカレートさせない、あるいは全面戦争にエスカレートさせないために、この南西諸島において制限戦争を限定して実現をしていく、そのことによって言わば中国を引かせるという戦略でありますが、それがいわゆる今、日本が取り組んでいる戦略であろうと、こういうふうに理解をしております。しかし、それに対する、要するにそれでいいのかと、我が国国土を戦場にするようなそういう戦略、日米同盟でいいのかというような観点で先ほどの論文や発言があるのだろうと思います。

米国にとっては、核戦争に発展しなければ中国の攻撃は米国領に及ばない、また、日本本土にとっても中国の攻撃が沖縄でとどまる可能性があるかもしれません。しかし、戦場になって犠牲に強いられる沖縄にとっては、在沖米軍も自衛隊も何ら抑止力ではないわけです。

中国の南シナ海における岩礁埋立てと軍事化は、西太平洋に影響する大規模な環境破壊であり、国際法にも違反する暴挙です。東シナ海、尖閣における日本の施政権に関する挑戦も許されません。しかし、現在進められている安倍政権の中国包囲網構築の試みは、国民の生命、財産、とりわけ沖縄県民の生命、財産を危険にさらし、本来の安全保障の意味から懸け離れています。

そこで、やはり中国の今尖閣の問題については、下院でもかなりのレベル、危険なレベルだと、こういうふうに言われております。もう既に米中間では二〇〇八年に国防当局間のホットラインが創設され、一一年には安保対話が行われ、そして一四年、一五年には現場における措置が講じられています。

そこで、外務大臣にやはり質問したいと思います。日中間の信頼醸成措置というものの整備が私は緊急だと思うんです。その意味ではどのような状況でしょうか。

外務大臣(岸田文雄君)

御指摘の点につきまして、日中間の信頼醸成が重要だという点、そのとおりだと思います。その観点から、日中韓三か国においては様々なレベルを通じて意思疎通を図っております。北朝鮮問題についても、あるいは安全保障という観点においても、また外相レベルにおいても、日中韓の対話の枠組みがありますし、さらには日中韓のサミットにつきましても、次回の開催、日本が議長国であります。是非この開催に向けて調整を進めていかなければなりません。

このように様々な分野、様々なレベルにおいて日中韓の連携、意思疎通の枠組みは存在いたします。しっかりと活用していかなければならないと認識をいたしております。

伊波洋一君

もう終わりますけれども、二〇一三年七月二十四日の米下院軍事委員会公聴会では、ゲイリー・ラフヘッド元海軍作戦部長が、尖閣諸島が最も不安定な状況にあり、認識の共有、緊張緩和の手段がないことが問題で、衝突があった場合、鎮静化させるメカニズムがないと証言し、日中間での戦術、作戦レベルでの情報共有、コミュニケーションの取組が必要だと、このように指摘しています。アメリカも日中間のこのような偶発的な戦闘状態は決して歓迎しないわけです。その意味では日本の努力は求められていると、このように思います。

以上で終わります。