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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2018年11月27日)

2018.10.24~12.10 第197回臨時会

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伊波洋一君

沖縄の風の伊波洋一です。先日に引き続き、普天間飛行場の五年以内運用停止と危険性除去について伺います。

十一月二十二日の委員会で、普天間飛行場へのジェットエンジンのKC135空中給油機や戦闘機などの外来機の飛来が騒音などによる周辺住民の基地被害を悪化させている現状を紹介しました。同じ日、松川宜野湾市長も沖縄防衛局長に外来機飛来禁止を米軍に強く申し入れるよう抗議、要請しています。抗議・要請文では、普天間飛行場へのジェット戦闘機を含む外来機の飛来による騒音被害に厳重に抗議するとともに、貴職から米軍に対し、市民生活に十分配慮するよう強く申し入れることを求めています。

防衛省は、二〇一六年九月一日付けの日米合意に基づき、「沖縄県外での訓練の一層の推進を図り、訓練活動に伴う沖縄の負担を軽減する」目的で、二〇一六年九月から十月までグアムへの訓練移転、一七年三月、八月、十二月、一八年二月から三月の国内の計五回の訓練移転を実施し、平成二十八年度は確定額で三億六千八百万円、二十九年度は十八億七千八百万円、三十年度は二十三億千七百万円の予算が計上され、この予算額は年度当初に米側に仮払いされているとのことであります。お金を渡しているわけです。

沖縄県は、訓練移転期間中の二〇一七年二月一日から三月三十日まで、ビデオカメラで同飛行場に離発着する航空機を撮影し、その機種、離着陸回数を記録し、二〇一七年四月二十一日に普天間飛行場における離着陸回数調査報告を公表しました。この中で、沖縄県としては、「平成二十九年三月六日~十七日の間、米軍再編に係る運用機の県外訓練移転が行われたが、この期間内において、オスプレイについては回数の減が見られるものの、全航空機の離着陸回数については全体平均値より高くなっており、必ずしも訓練移転が離着陸回数の減につながっていない状況にある。」「県としては、普天間飛行場の負担軽減を図るため、同飛行場で運用されるすべての回転翼機の県外訓練移転について早急に取り組んでいただきたい」旨の見解を示しております。

一方、沖縄防衛局は、二〇一七年四月以降、普天間飛行場における航空機離着陸等の状況を調査し、沖縄県と宜野湾市に情報提供してきました。防衛省から三十年十一月二十一日付けの普天間飛行場における航空機の離着陸等状況の提供をいただきました。今年に入り、外来機の飛来が急増しています。十種類に及ぶ様々な米軍機が普天間飛行場に飛来し、訓練をしています。特にKC135ジェット空中給油機、P8ジェット対潜哨戒機、F22、F35B、F15、F18戦闘機などが何度も飛来し、中にはタッチ・アンド・ゴー訓練も行ったりしております。

岩国へ給油機KC130、これはプロペラ機でございますが、移転をさせた後に、このジェットエンジンの戦闘機やあるいは空中給油機が入ることは納得できません。さらに、この調査結果から、九六年の日米合意によって禁止される二十二時から午前六時の間、夜間飛行訓練が二〇一七年四月から先月末まで十九か月で一千四十四回、月平均五十回以上確認されるなど、特に常駐機による日米合意違反の夜間訓練飛行が常態化していることが改めて確認されました。

大臣はこれを御覧になっておかしいと思いませんか。日米合意に反する夜間飛行に対してこれまでどのように対処してきたのでしょうか。合意違反が繰り返されていることについてどのように考えますか。

防衛大臣(岩屋毅君)

普天間飛行場の周辺におきましては、騒音規制措置によりまして、夜間訓練飛行は、在日米軍に与えられた任務を達成し、又は飛行要員の練度を維持するために必要な最小限に制限される旨合意をしております。その上で、米側に対しまして、日米間の合意を遵守し、航空機の運用による影響を最小限にとどめるよう、大臣を含む中央レベル及び現地レベルそれぞれにおいて累次の機会に米側に申し入れているところでございます。

防衛省としては、更なる実態把握に努めてまいりたいと思いますし、引き続き米側に対しまして、安全面に最大限配慮するとともに、地元の皆様に与える影響を最小限にとどめるよう、様々なレベルで強く求めてまいりたいと思っております。

伊波洋一君

離着陸状況の調査目的は米軍機の飛行実態の把握ということですが、五回の訓練移転期間中の離着陸回数に変化があったとは思えません。一七年二月、十二月など、必ずしも訓練移転の離着陸回数の減につながっていません。むしろ増加しています。訓練移転期間中に普天間飛行場における離着陸回数が減少したと評価していますか。

防衛大臣(岩屋毅君)

オスプレイの訓練移転によりまして普天間飛行場に所在するオスプレイが長期間沖縄を離れることになり、その間は沖縄における駐留及び訓練の時間が削減されると考えております。その上で申し上げれば、航空機の離発着回数は、周辺の安全保障情勢あるいは天候等の影響によっても上下するものだというふうに思います。

いずれにいたしましても、政府としては、引き続きこのMV22オスプレイの訓練移転を積み重ねていきたいと思っておりますし、それによって可能な限り地元の負担軽減を図ってまいりたいというふうに考えております。

伊波洋一君

これが防衛省からいただいた普天間飛行場における航空機の離着陸状況ですけれども、例えば今年の二月、三月も移転しているんですけれども、その間この、私がオレンジで囲んだんですが、外来機が十種類も来ているわけですよ。その飛行回数は百五十七回です、離着陸回数はですね。ですから、全体で千七百三十一回と表記されておりますけれども、一割を占めているわけですね。だから、当初はほとんどないんですよ、ほとんどない、外来機は。でも、今年からはもう確実にある。それなりのボリュームを入れてきている。こういったことをやはり重視していかなきゃいけないだろうと思うんですね。

さらに、前委員会でもお話ししましたけれども、十時以降の飛行の苦情が百五十回ありますよと、今年の前半だけで、四月からの前半だけでですね。ですから、日米合意というものをきちんと守らせることはとても大事だと思います。そういうことを是非しっかりと受け止めていただきたい。だから、この離着陸回数減にあるというふうには全然実感がされないわけですね。

騒音についても、沖縄防衛局は嘉手納と普天間の周辺で測定した騒音レベルを毎回測定して公開しています。普天間に常駐する回転翼機特有の低周波騒音については調査結果に反映されていないとはいえ、周辺住民の深刻な騒音被害の一端がうかがえると思います。これを見ても、五回の訓練移転期間中、騒音被害が改善している状況は確認できません。

訓練移転期間中、普天間飛行場周辺の航空機騒音状況が改善されたとお考えですか。

政府参考人(防衛省 中村吉利君)

お答え申し上げます。委員から御指摘のありました外来機の飛来の回数でございますが、我々、この普天間飛行場の離発着状況につきまして全機種の調査を行いましたのが昨年の四月からということでございます。確かにその間、最近になりまして、外来機の数がこの目視の統計上増えてきているところでございますけれども、更に調査を続けまして実態を把握し、必要な措置をとってまいりたいと考えております。

今、騒音についての御質問がございました。先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、オスプレイの移転訓練が行われている間はこのオスプレイが沖縄を離れることとなりますので、その駐留、訓練の時間が削減されることはこれは間違いないことであろうかと思っております。

他方で、一般論として申し上げれば、騒音につきましても、先ほど大臣から御答弁申し上げました離発着回数と同様に、様々な要因によって影響を受けるものであると考えております。

いずれにいたしましても、普天間飛行場におけます航空機の騒音は周辺住民の皆様にとって深刻な問題であると認識をしておりまして、その軽減を図ることは重要な課題と考えております。防衛省としては、今後とも米側に対しまして普天間飛行場周辺における騒音の軽減が図られるよう一層の協力を求めるとともに、訓練移転を積み重ねるなど可能な限り地元の負担軽減に努めてまいりたいと考えております。

伊波洋一君

防衛省としては、二年ほど前からしかこの実態、確認をしていないということですよね。実際は、でも、一九九六年に合意された、夜十時、夜間十時以降の飛行については最小限にするということの合意はもう二十二年以上前に行われているわけです。にもかかわらず、この五年間という、安倍首相が約束した、できることは何でもやると言った中で苦情は倍増している。さらに、その十時以降の飛行はもう十一時が常態化している、そういう実態になっているわけです。

外来機の飛行についても、嘉手納でずっと言われてきたわけです。嘉手納でいろいろ、日本、我が国の予算で、県外移転というもので訓練移転を実施して、築城などにも移転をしているけれども、ここに来る外来機についてはこれは関係ないですよという、平気でアメリカ軍が言っている。

つまり、何のための移転なのか。このスペースを空けた分、今さっき申し上げましたように、この中でも、これは三十年三月ですけれども、百五十七回外来機が飛来している、離着陸している。その中にジェット戦闘機やジェット空中給油機が入っているわけですよ。だから、言った負担は、恒例的に飛んでいれば、ああ、どこか、この音だなと分かるけど、違う飛行機が、十種類ですけど、新たに来るたびに違うコースで飛んできて、本当驚かすわけですよ、住民をですね。その苦情の中にもそれが出ております。

そういったことを、やはり現場を見ないでこの負担軽減という話をしたりするのはこれはおかしい話なんで、きちんとやはりこの外来機の飛来の在り方についてもきちんとやはり言ってもらいたいと、このように思います。

先日も委員会で指摘しましたが、宜野湾市民から寄せられたこの苦情は具体的なんですね。具体的です。夜の十一時、もう十二時を過ぎているとか、あるいは十二時前とかということも含めて、このジェット機がなぜ飛ぶのかということも含めてですね。そういう意味では、岩屋大臣には目を通されているというふうにお答えもありましたので、やはりしっかり見たと思いますけれども、いま一度この苦情等を読まれてどのようなお感じでしょうか。是非、大臣の思いをしっかり聞かせてください。

防衛大臣(岩屋毅君)

宜野湾市に対しまして、ここ数年、年間四百前後の苦情が寄せられていて、過去五回の訓練移転期間中にも苦情が寄せられているということは承知をしております。そして、私もそれを拝見させていただきました。

訓練移転期間中、その苦情の件数は相対的に減少していると思いますけれども、航空機の騒音はあの周辺住民の皆様にとっては深刻な問題であると私も認識をしておりまして、その軽減を図っていくことは重要な課題だというふうに認識をしているところでございます。

防衛省としては、米軍に対しまして、騒音規制措置の遵守、休日や地元の重要な行事に対する配慮をしっかりと申し入れていきたいと思いますし、訓練移転も更に進めていきたいというふうに思っております。さらに、住宅の防音工事などもしっかりやらせていただきたいと思っております。今後とも、防衛省として、普天間飛行場周辺の騒音の軽減、これを図るために一層努力をしてまいりたいというふうに考えております。

伊波洋一君

委員の皆様にも御理解いただけたと思いますが、普天間飛行場に係る負担軽減措置を政策目的として行われた県外への訓練移転は、客観的な離着陸回数や騒音状況でも、主観的な苦情の件数、内容でも、全く負担軽減の効果が出ていません。

政策効果を有しない事業に平成二十八年度で確定額で三億六千八百万、二十九年度は予算で十八億七千八百万、三十年度は二十三億千七百万円もの予算が計上され、そしてさらに米軍にも渡されております。我が国の財政上、極めて憂慮すべき問題です。目的が実現されていないのに繰り返される、こういう支出ですね。

委員長に是非お願いいたしますが、訓練移転経費を対象に、国会法第百五条に基づく会計検査院への検査要請を行っていただきたいと思います。お取り計らいください。

委員長(渡邉美樹君)

後刻理事会において協議いたします。

伊波洋一君

改めて、負担軽減策としての訓練移転の目的が日本政府と海兵隊を始め米側と共有されているのか疑問です。いかがでしょうか。

防衛大臣(岩屋毅君)

米軍の航空機の訓練移転につきましては、これまで日米合同委員会を始めとする累次の機会に、在沖米海兵隊を含む米側との間でその目的等について認識を共有した上で具体的な訓練実施に係る調整を行い、進めてきております。

特にMV22オスプレイにつきましては、沖縄の一層の負担軽減を図るために、平成二十八年九月の日米合同委員会において、普天間飛行場に配備されたMV22オスプレイの訓練を日本側の経費負担によって沖縄県外に移転していくことを合意し、これまで陸上自衛隊及び米海兵隊によるMV22オスプレイ等を使用した共同訓練を実施してきております。来月には、私の地元の大分県日出生台の演習場でも実施をする予定でございます。

私どもとしては、これらの取組によりまして、普天間飛行場に所在するオスプレイが長期間沖縄を離れることとなって沖縄の負担軽減に寄与するというふうに考えておりまして、引き続き移転訓練を積み重ねて沖縄の負担軽減を図ってまいりたいというふうに考えております。

伊波洋一君

負担軽減目的の移転にはなっていないんじゃないでしょうか。私も見ましたけれども、共同訓練なんですね。そもそも沖縄には自衛隊との共同訓練する場所はありません。つまり、共同訓練をやるということで必然的に本土に行くんです。ですから、あえてそれを負担軽減といって行っているところにおかしな問題があるのではないかということも指摘をしておきたいと思います。

実際、それがもしそうならば、本当の結果としてここに反映がなければいけないんです。日出生台を含め、そういう演習場がないんですから、沖縄では、自衛隊のですね。ですから、そのことを指摘をしておきたいと思います。

いずれにしても、今の政府の取組の中では、実は日米合同委員会で協議しても国民には開示されず、政府は一貫して日米安保条約を擁護しながら、学校の児童、今、普天間第二小学校などの児童の真上を、近くを飛ぶ、あるいは保育園の上を飛ぶ、このようなことについては日米合意を守らせ切れていないんですよね。こういうことであるならば、今の在り方、やはりもっとその地位協定、日米地位協定をしっかり改定する必要があると思います。

資料の中に提示しておりますけれども、沖縄県の他国地位協定、最後のページですが、他国地位協定調査中間報告書によりますと、イタリアの元首相とのヒアリングでは、「米軍基地があるのは日本だけではないが、インターナショナルな見直しを進めていかないと、日米関係だけが奇異な関係になってしまう。米国の言うことを聞いているお友達は日本だけだ。」と、こういうふうに話しているんですね。私たちの国はまさにそうなっているのではないか。だから、本来あるべきような形で議論をしっかりして、国民に被害を与えないような、そういうことをやるべきじゃないでしょうか。

河野外務大臣も岩屋防衛大臣も、かつて自民党の日米地位協定を改定し日米の真のパートナーシップを確立する会の幹事長や副会長として、いわゆる地位協定改定案なども出した方です。そういう中で、やはり日米地位協定の在り方を変えていくことが今求められているのではないかと思いますけれども、どのように受け取っているでしょうか。

外務大臣(河野太郎君)

地位協定に関する一つ一つの具体的な問題に関しまして、政府としては最も効果的かつ適切に、対応、方法で取り組んでまいりたいと考えております。

委員長(渡邉美樹君)

質疑をおまとめください。

伊波洋一君

はい。今申し上げましたように、日本の国民の被害をそのまま放置するような今の流れでは、日米安保条約というのは、もう私たちを、日本を置き去りにしてしまうものになりかねないです。ですから、もっとしっかりと国民の声を聞けるような、そういう取組をしてもらわないといけないんだということを指摘して、終わりたいと思います。