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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2018年12月4日)

2018.10.24~12.10 第197回臨時会

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伊波洋一君

沖縄の風の伊波洋一です。防衛省沖縄防衛局は、辺野古新基地建設の埋立工事を早期に強行し、県民投票の前に県民の諦めムードを醸成するために、名護市安和にある民間の琉球セメントの安和桟橋を使用して埋立て用土砂の海上搬送を狙っています。私は、十二月一日、この琉球セメントの安和桟橋などを視察してきましたが、防衛局は、昨日、十二月三日、埋立て用土砂を、安和桟橋に設置された、敷設されたベルトコンベヤーを使用して船に積み込む作業を行いました。安倍政権と防衛省の県民、民意を踏みにじる暴挙に強く抗議いたします。

現地を見て大変驚いたことがあります。安和の琉球セメントの桟橋施設周辺に高江のヘリパッド工事でも使われたかみそり刃付きの鉄条網が県道沿いの歩道に面するよう設置されていました。お手元の資料の最後から二ページのような、こんな写真ですけれども、(資料提示)最後から二ページ、一番最後の方がかみそり刃なんですが、こんなような、まさにかみそり刃がずっと巻き付けられている鉄条網でございますが、子供や幼児も歩くような歩道に面し、手を伸ばせばすぐ届くところにかみそり刃付きの鉄条網を設置するのは異常と言うほかありません。

設置者が誰なのか、琉球セメントや沖縄防衛局なのでしょうか。また、誰の許可を取って設置されているのか、早急に撤去すべきと考えますが、いかがでしょうか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答えを申し上げます。御指摘の安和桟橋周辺の鉄条網につきましては、土地所有者であります琉球セメント株式会社が設置をしたと認識をしてございます。 鉄条網につきましては、設置者において適切に管理をされるものと認識をしております。

伊波洋一君

いや、これはやはり何らかの形があるのではないか。十二月二日の琉球新報においては、既に県警や海上保安庁、民間の警備会社と警備体制を協議していると報道されています。本来、これは沖縄防衛局に関連する仕事ですよね。だから、沖縄防衛局は警備要請や協議に全く関与していないのかどうか、本当にそう言えるんですか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

警備の点につきましては、必要に応じ警備を求めるといったことは一般論としてあろうかと思いますが、個別の点につきましては、警備の関係でございますので、控えさせていただきたいと思います。

いずれにいたしましても、先ほど御指摘のありました鉄条網につきましては、土地所有者であります琉球セメント株式会社が設置したと認識しておりまして、設置者において適切に管理をされると認識をしております。

伊波洋一君

また後で質問しますけれども、沖縄県、玉城デニー知事は昨日の会見で、沖縄防衛局が違法な埋立工事を強行し、琉球セメントが公共用財産使用の許可権者である沖縄県にも事前説明もなく、工事完了届も出さず、赤土等防止条例に基づく届出もないまま桟橋が使用されたことは甚だ遺憾と厳しく批判し、公共用財産使用の即時停止と沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則二十一条に基づく県による立入検査を要求しました。

情報公開された資料によれば、この安和桟橋に関しては、国有財産法第十八条六項並びに沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則第四条第二号、第六条第二号に基づき、工作物新築等及び公共用財産使用許可申請書を琉球セメントが提出し、沖縄県が平成二十八年十一月十日付けで許可し、今年三月三十日に許可が更新されています。

この申請書中の安和桟橋計画概要では、この桟橋はセメントの出荷、セメント製造に使用する石炭の荷揚げ、セメント副原料の荷揚げ、そのほか資材の出荷が「施設の目的」として明記されております。セメント関連の資材として、石灰石、粘土、ケイ石や鉄原料その他が挙げられます。また、生コンの原材料として骨材というものもありますが、骨材とは主に砕石、砕砂のことであり、コンクリート用砕石及び砕砂については厳格なJIS規格が定められています。一方、経産省や日本砕石協会の説明によれば、埋立て用土砂や破砕した岩石を意味する岩ズリは、粒の大きさ、粒度も様々で、一般的な規格は定められていないということです。

いずれにしろ、安和桟橋はセメント出荷やセメント製造用石炭、セメント副原料等の荷揚げ場所として県から使用許可を得て業者が公共用財産を使用することが許されており、埋立て用土砂や岩ズリの出荷に桟橋を使用することは明らかに公共用財産の目的外使用です。また、安和桟橋のベルトコンベヤーは沖縄県生活環境保全条例に基づき届出が、設置されていますが、この設置申請書の中で運搬物の種類は石炭と石材と記されています。このベルトコンベヤーの使用自体も目的外で、違法なものです。しかも、県の指摘によれば、桟橋利用には工事完了届の提出が必要で、土砂に関しても、沖縄県赤土等流出防止条例に基づく届出が必要であったにもかかわらず、事業者は提出していません。

さらに、沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則の第十二条、「転貸等の禁止」は、「許可を受けた者は、当該許可により生じた権利を他人に転貸し、若しくは譲渡し、又は担保に供してはならない。」と規定しています。土砂の積込み作業を行った作業主体が琉球セメントでなかった場合、転貸に該当すると考えられますが、防衛省は確認していますか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答えを申し上げます。沖縄防衛局に確認をいたしましたところ、昨日の岩ズリの積込みにつきましては、安和桟橋に係る公共用財産使用許可を得ております琉球セメントが行ったものであるとの報告を受けており、御指摘の沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則の転貸には当たらないものと考えてございます。

伊波洋一君

先ほど申し上げた工事設置終了許可等は届けているかどうか、それが県が言うとおりであるかどうかということは確認していますか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答えを申し上げます。現在、沖縄防衛局におきまして、県から指摘のあった事項について事業者に対して事実確認をしているところでございます。

伊波洋一君

このように、ほとんど何も設置をしていない状況の中でありながら、昨日は防衛大臣は、基本的に手続は正当に行われているというふうな発言もされておりました。そのことも後でただしますけれども、違法行為を助長するような沖縄防衛局の行為は法治国家としては許される限度をはるかに超えており、改めて抗議したいと思います。

防衛大臣、昨日、ベルトコンベヤーの使用が違法ではないかとの指摘に対し、事業者が適切に手続を取っていると承知していると会見しています。防衛大臣に伺いますけれども、県は違法だと指弾しており、加えて、桟橋やベルトコンベヤーの目的外使用も疑われますが、防衛大臣は安和桟橋の違法な使用についてどのように考えているのでしょうか。

防衛大臣(岩屋毅君)

昨日ですね、沖縄県から御指摘のあった事柄につきましては、今局長から答弁いたさせましたように、現在、沖縄防衛局において事業者に対して事実確認をしているところでございます。もし不備があれば、適切に対応させていただいた上で事業を進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

伊波洋一君

事業を進めさせていただきたいということですが、それよりは、事業を進めるどころか、まず中断をすべきだと思います。さらに、今その事実確認もないまま、防衛大臣、先ほど申し上げたように、事業者が適切に手続を取っていると承知していると、このように昨日の記者会見でも述べております。つまり、これは担当者にも指摘をしましたが、本当に確認をしたのかと、そういったことを何度も確認をしたんですけれども、それは調べてみないと分からないということでございました。今、ただいまの答弁もそうですね。

まず、直ちに今の積込み作業を止めるということ、そしてまた、そのことについては現状どうなっているんですか。

防衛大臣(岩屋毅君)

本日の岩ズリの搬出作業は現在行っておりません。事実確認をしっかりさせていただいた上で、もし不備があれば、適切に迅速に対応させていただいた上で事業を進めさせていただきたいというふうに思っているところでございます。

伊波洋一君

そもそも、これは沖縄県としても撤回をしてございます。その撤回について、今その執行停止があるという段階であって、県としては当然その取組は認められないという立場でございますけれども、私もそのような立場です。

しかし、一隻分は出されています。昨日は、もう午後三時ぐらいまでには積み込んで沖に出ているんですね。報道によると、その船から別の船に移すという作業をして、またこの船が戻ってきて同じような作業を繰り返すという話になっております。しかし、現実には、この土砂は要するに違法な状況のまま搬出された可能性がとても強いんです。県の立場でいえば、まさに完了届がなし、それから様々な手続もない。

これの土地、この土砂をどうするかという問題が一つは出てきております。違法に作業船に積み込まれた埋立て用土砂の使用は、建設業法令遵守ガイドラインの趣旨にも反します。違法が露見しても開き直るような対応は、やはり政府が取るべきではありません。いわゆる業者がそのことをやっているわけですけれども、立場として、積み込んだ土砂をあの辺野古に投入をするということがあってはならないと思いますが、いかがですか。

防衛大臣(岩屋毅君)

繰り返しになりますが、現在、沖縄防衛局から事業者に、沖縄県の指摘についての事実確認をさせていただいております。法令で定められた手続をしっかり取ることは当然でございますので、もし不備があれば、直ちに対応させていただいた上で事業を続けさせていただきたいというふうに思っております。

伊波洋一君

いや、事業を続けさせるわけにはいかないですよ。どうしてかというと、まず一つは、この業者が届け出たその堆積といういわゆるものは、要するに石材だというふうになっているんだけれども、実際に調べてみたら岩ズリであったと。つまり、これは赤土防止条例に基づいて事前に届けなきゃいけない、四十五日前には届けなきゃならないことだと、こういうことも指摘されております。いわゆる、皆さんが言っている、適法に、それで進めさせてくださいという話のレベルの問題ではないのですね。

ですから、まず一つには、今持ち出したこの岩ズリはどう処理するか、それについては明確な答弁をいただきたいと思います。

防衛大臣(岩屋毅君)

安和桟橋の使用に当たりまして、事業者が沖縄県に提出した公共用財産使用許可申請書の施設の使用目的におきまして、その他資材の出荷桟橋として、骨材等の資材の出荷と記載をしております。また、大気汚染防止法に基づく届出におきましては、ベルトコンベヤーの運搬物に石材と記載をしていることから、岩ズリの搬出については目的外使用には当たっていないというふうに我々考えております。

なお、その上で、沖縄県からの指摘事項について事実を確認して、もし不備があれば、適切に直ちに対応をさせていただきたいと思っております。

伊波洋一君

いや、岩ズリと石材とは違うんですよ。それから、骨材というのは、先ほど申し上げたように、岩ズリなどは含んでいないんですよ。そこも含めて、やはりきちんと対応してもらわなきゃいけないだろうと、このように思います。

昨日の答弁でもそうですけれども、やはり今回、防衛省が本当にどのようなことをやってきたのかということ、鉄条網などの過剰警備や、あるいは数々の違法な今の作業、状況ですね、このことについて、私はやはり曖昧なまま進んでいると。少なくとも一部において違法な作業が行われたことは確認されました。

委員長(渡邉美樹君)

時間が来ております。質疑をおまとめください。

伊波洋一君

防衛省沖縄防衛局として責任の所在を明確するためにも、防衛局と埋立業者、琉球セメントとの間で時系列に沿ってどのような協議や会合が行われたのか、業務委託などの契約の内容を含めて、防衛省として国会に調査して報告すべきです。

委員長、お取り計らいをお願いいたします。

委員長(渡邉美樹君)

後刻理事会において協議いたします。

伊波洋一君

また続きは次回に質疑いたします。