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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2018年12月6日)

2018.10.24~12.10 第197回臨時会

配付資料ダウンロード

伊波洋一君

沖縄の風の伊波洋一です。提案されております日欧EPAについては、農業を始め食の安全、地域社会や人々の暮らしを揺るがしかねず、問題があり、賛成できません。

先日に引き続き、国が沖縄県民の民意を無視して強行する辺野古新基地建設、民間の琉球セメントの安和桟橋からの違法な土砂積込みについて伺います。

沖縄県、玉城デニー知事は、三日の会見で作業を一時停止するよう求めましたが、防衛省は五日、違法が指摘されている安和桟橋を使用して土砂の運搬船への積込み作業を再開しました。知事は、五日の会見では、少なくとも立入検査が完了するまでは作業の停止を求めています。

三日にガット船に積み込まれた土砂は、沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則に基づく工事完了届の提出前という法的に瑕疵がある状態で搬入されたことに争いはないと思います。三日に土砂を積み込んだ船は、現在どうなっていますか。また、法的に瑕疵のある状態で三日に積み込まれた土砂の扱いは今後どうするのでしょうか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答えを申し上げます。御指摘の船につきましては、沖合で停泊をしているとの報告を受けてございます。また、この三日に運搬船に積み込んだ土砂の取扱いにつきましては、今後の作業の進捗等を踏まえ適切に判断していきたいと考えておりますが、現時点でその取扱いについて確たることを申し上げられる段階にはございません。

伊波洋一君

三日に琉球セメントがガット船に積み込んだ埋立て土砂は、防衛省の認識では岩ズリに当たるということで間違いないですね。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答えを申し上げます。岩ズリとは、一般的に鉱石の採掘などで掘り出される岩石等を意味するものとされております。先日、運搬船に積み込まれました岩ズリについては、琉球セメントが所有する鉱山から採取をされたものであると承知をしてございます。そして、琉球セメントが所有する鉱山から採取された岩ズリにつきましては、同鉱山から採取をされました捨て石や割りぐり石などと同様に、沖縄県内で一般に販売をされている岩ズリと同じものであると承知をいたしてございます。

伊波洋一君

琉球セメントは、安和桟橋について、大気汚染防止法上の一般粉じん発生施設の設置申請を沖縄県に提出しています。ベルトコンベヤーの設置申請においては石材と石炭を運ぶことになっているはずですが、岩ズリは石材とは異なるものではないでしょうか、認識を伺います。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答えを申し上げます。岩ズリとは、先ほど申し上げましたように、一般的に鉱石採掘などで掘り出される岩石等を意味するものとされており、捨て石や割りぐり石などと並びまして石材であると考えております。

伊波洋一君

では、そのような石材としての定義があるということで理解していいんですね。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答え申し上げます。ただいま申し上げましたように、捨て石や割りぐり石と並んで石材であるというふうに考えております。

伊波洋一君

配付資料の環境保全図書では、砕石生産に伴い生ずる岩ズリを購入するとされております。環境保全図書六の七の百三十一では「岩ズリの細粒分含有率は概ね一〇%前後」と書かれており、これを前提に工事に伴う水の濁りの発生を予測しています。

そこで質問しますが、「細粒分含有率は概ね一〇%前後」というのが今回の岩ズリの定義ということでよろしいですか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答えを申し上げます。岩ズリにつきましては、先ほど申し上げましたように石材に当たる、石材であると考えてございます。

御指摘の細粒分含有率の件でございますけれども、細粒分含有率等につきましては、本埋立工事の契約図書におきまして、岩ズリの規格といったものとして、沖縄県産の黒石であることや粒径等が規定をされてございます。この規定を確認するため、事前に受注者から書類等を提出させるとともに、搬入前には採取場所ごとに品質確認を行うこととしております。

また、今回積込みを行いました岩ズリにつきましては、搬入前に確認を行っており、その細粒分含有率についてはおおむね一〇%であったということが確認されているというふうに聞いております。

伊波洋一君

今回のシュワブ埋立工事の特記仕様書では、埋立材を黒石岩ズリ(沖縄県産)三十六万一千百立米とされております。

三日に積み込まれた土砂、あるいは昨日から積み込まれている土砂は、環境保全図書や今回の工事特記仕様書の岩ズリと言えますか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答えを申し上げます。先ほども申し上げましたように、契約図書におきまして、岩ズリの規格として、沖縄県産の黒石であることや粒径等が規定をされているということでございます。

今回積込みを行いました岩ズリにつきましては、搬入前に確認を行ったところ、細粒分含有率についてはおおむね一〇%であったといったことが確認をされているというふうに聞いております。

伊波洋一君

環境保全図書に定義され、防衛省が説明している岩ズリと、今、安和桟橋から搬出されている埋立土砂とは、外から見ても明らかに組成が異なります。

大気汚染防止法上の一般粉じん発生施設に関する監督は、県の自治事務であり、県の責任で判断されることになりますが、一般的には、土石の性状なども含めて現地で見た上で、補正が必要なら変更届を求めるという行政指導をしているというのが行政実務のようです。

十二月三日、沖縄県は、安和桟橋に対して環境汚染防止法第二十六条で定められた立入検査を実施し、赤土を含む土砂を確認しています。その結果、沖縄県赤土防止条例に基づく事業行為届出が必要とし、作業を一時停止するよう指導しています。

県が立入りをした際の配付の写真を見ますと、安和桟橋で搬出されているのは岩ズリというよりも赤土を含む土石であることが分かります。今、沖縄防衛局と琉球セメントが積込みを強行しているのは、ほぼ赤土を含む土石であり、岩ズリとは言えないものです。

配付資料がございます。見ていただきたいと思います。まず、十二月三日「報道ステーション」の映像です。これはトラック二つ、落としていますけれども、違う。右はぐり石みたいなもので、左は赤土が入った石ですね。それから、下のは昨日のRBCのニュースです。これを見ていても、どうも石というよりは土も含めていると。

次の写真を見てください。これが沖縄県が立入りをした写真です。これを見ると、岩の方は僅かで土状のものの方がはるかに多いですよね。手前は岩です。

その次の写真を見てください。これはその三日の搬入の後の写真ですけれども、同じように赤土が見えますね。その下の写真を見てください。これは搬入している、いわゆる防衛省は今回、直接鉱山から搬入するので問題はないんだと言ったときのトラックの写真です。その上にあるのは何でしょうか。赤い土が入っているようなものですね。

その次のページを見ていくと、いわゆる今先ほど防衛省が説明をしている岩ズリというのはまさにこの岩ズリなんですね。岩ズリというのはこんな感じで売られていると。要するに、岩石を砕いて、この場合、今回の特記仕様書では三十センチ以内の岩だと。これ、まず、今、埋め立てるときに一番底に敷くものですから、こういうものを敷くのが予定で、三十六万立米予定されているわけですが。

今写真を見て、実は防衛省は何も確認していないんです、現地は。見て、これで岩ズリだということを言えますか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答え申し上げます。岩ズリにつきましては、今回の岩ズリにつきましては琉球セメントが所有する鉱山から採取されたものであると承知をいたしておりまして、また琉球セメントが所有する鉱山から採取された岩ズリにつきましては、沖縄県内で一般に販売されている岩ズリと同じものであると承知をしております。

また、先ほどお答え申し上げましたように、細粒分の含有率などにつきましては、搬入前に確認を行ったところ、おおむね一〇%程度であったということが確認されているという報告を受けているところでございます。

伊波洋一君

特記仕様書には、岩ズリ及び海砂については事前に粒度に関する試験の成績、そしてまた産地を明示した書類を提出し、品質管理については搬入前に採取場所ごとに一回行うと、こういうふうに言っているんですね。ところが、ここに、いわゆる琉球セメントの鉱山から出てくるトラックは、トラックごとに載せているものの形状が違うわけですよ、形状が違うんですよ、赤くなったり白になったりね。

そういう、つまり、しかし、これ一回だけやればいいということになっていて、でも、実際には、今見ていただいたように、これは岩ズリじゃないんですよ。岩ズリだと言って、いわゆる岩ズリだと言って置場をつくり、そしてベルトコンベヤー、石材だと言っている。防衛が言っているのはそういう主張です。

つまり、石を砕いて、石だから、それが要するに土じゃないんだから、赤土防止条例にも関係ないんだと、こういう指摘ですが、目の前に見えるのはまさに赤土の入った土石でしょう、これ。それをまさに今埋め立てようとしているわけでしょう。それを第一番目の船に積み、今二番目の船に積み、今も積んでいるんでしょう、多分ね。そういうことについて、やはり本来ならば、これはちゃんと環境保全図書やあるいは皆さんの契約の特記仕様書にちゃんと書いてあるんですよ、沖縄産の黒石の岩ズリを使うんだと。

私たちは、その岩ズリはこんなレベルかと思っていたけれども、そうじゃないということは皆さんの説明で聞きました。まさに埋立てに使う岩ズリというのは岩なんだと、今の説明。でも、皆さんは一度も確認していないんです、この現場を。そして、そういうふうに聞いているという説明しか受けていないんですよ。なぜ、直接皆さんは要するにチェックもしないで。

だから、今防衛局が購入し辺野古へ運ぼうとしている埋立土砂は、環境保全図書や埋立てに用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書に示されて記載されている岩ズリとは異なります。現状では、この作業船に積み込まれている土砂を返品してきちんとした品質の岩ズリに返還、交代してもらうか、あるいは環境保全図書そのものや土砂に関する図書の変更を経由しなければ、今の土砂は使えませんよ。

返品しますか、それとも環境保全図書の岩ズリの定義を変更して、県知事の変更承認をもらいますか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答え申し上げます。繰り返しになりますが、今回の岩ズリにつきましては搬入前に確認を行っております。細粒分の含有率などについて確認をしているということでございます。

伊波洋一君

防衛大臣に伺います。説明はこう言っていますけれども、これはあくまで言葉なんですね。さらに、現場は見ていない。これは確認をしました。どうしてかというと、この岩ズリは辺野古の岸壁渡しなんですよ。岸壁渡しだからこの過程は確認する必要ないんだと。岸壁に来て初めてこれを岩ズリとして受け取るんだと言っている。でも、その間、問題になっているけれども、見てもいない。

防衛省として、この現場をしっかり確認をして、これが本当に岩ズリなのかどうか確認する義務があると思いますけど、いかがですか。

防衛大臣(岩屋毅君)

沖縄防衛局においてそこは適切に対応できているというふうに思っております。

そもそも、これからの作業に使う岩ズリについて不適当なものを使うべきではないと思っておりますので、そこはしっかりと判断ができているというふうに思っております。

伊波洋一君

いや、判断はできていないんですよ。私は確認しました。今も見てはいないでしょう。その報告を受けているだけの話なんですよ。

で、一回だけ検査をすることになっているんです、一回だけ検査をすることに。でも、トラックの上は、違うトラックがずっと来るじゃないですか、やはり確認しなきゃいけないと思いますけれども、いかがですか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答えを申し上げます。積込みを行いました岩ズリの確認につきましては、細粒分含有率などについて行っているということでございます。

なお、この確認につきましては、今回行いました三日、五日の積込みについては船一隻ごとに行っているということを聞いております。

伊波洋一君

おかしいですよ。だから、現実にこういう土砂の半分が積み込まれたわけですよ、一隻目にはね。さらに、今はトラックでやっている。実際にはトラックごとに、トラックに載っているものそのものが違うんですよ。

この二番目の写真見てください。これ、赤い。だから、実際のところ、ちゃんと組成も見る必要があります。今、沖縄県に対しては、この組成について赤土防止条例に基づいてしっかり把握をして、赤土があるということはもう確認しているんです、この中に。岩ズリの中に赤土があっていいんですか。

政府参考人(防衛省 西田安範君)

お答えを申し上げます。御指摘の点はこの細粒分含有率の点だと思いますが、これについては、先ほど申し上げましたように、搬入前に確認を行っているということで報告を受けております。

伊波洋一君

いや、納得できませんね。実際のところ、皆さんはただペーパーでやった。誰も見ていない。沖縄防衛局も見ていない。皆さんの職員も見ていない。現実には、テレビではいつもこんなものかとみんな思うからそうなんですよ。こんなものじゃないんですよ、今皆さんが契約している岩ズリは。こんなもんなんです。鉱山で一か所だけ、一回だけ調べれば分かる同じ品質のものなんですよ。そのためにそういうふうに作ってあるんですよ。でも、同じところから赤土様のものも入ってくる、何もかも入ってくるのでは全く話にならないじゃないですか。

実際、だから、いずれにしろ、あれが石材であるという防衛省の見解では、やはり事業者の申告ベースなんですよね。客観的なデータは示されていません。防衛局として品質の確認をするはずですから、必ず、実際に使用する前に十トンごとあるいは百立米ごとにでも検査をする必要があります。で、実地に見なきゃいけないと思いますよ。誰かにさせて、ただペーパーだけで、こんな状況でいいですか。私は直ちに止めて船を調べるべきだと思います。

そもそも埋立てそのものが成り立たなくなります。ベルトコンベヤーやいろんな、今の安和桟橋の問題だけじゃないんですよ。こんなことで本当に埋立てができると思いますか。防衛大臣、確認するということをお約束ください。

防衛大臣(岩屋毅君)

先ほども局長から答弁いたさせましたように、一隻ごとに確認をしているという報告を受けておりますので、また、先般の沖縄県からの御指摘につきましては、事実確認をした結果、沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則第十一条に基づく届けが提出されていなかったということでございましたので、四日に完了届、着手届及び完了届を提出をさせていただきました。

県の指導には適切に対応できたというふうに思っておりまして、作業を継続をさせていただきたいというふうに考えております。

委員長(渡邉美樹君)

質疑をおまとめください。

伊波洋一君

まとめますけれども、今のように、これ何も確認をしていないんです。だけど、これは莫大な予算の掛かる事業ですから、是非この埋め立てているその素材について、当該土砂百立米ごとに成分分析結果を委員会に提出させていただくようお取り計らいをお願いします。

委員長(渡邉美樹君)

後刻理事会において協議いたします。

伊波洋一君

本当に言いますよ。

委員長(渡邉美樹君)

質疑をおまとめください。

伊波洋一君

とにかく見ないといけません。これで、以上です。