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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2019年5月14日)

2019.1.28~6.26 第198回常会

伊波洋一君

ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。議題となっています二承認案については、必要な改正であり、異論はありません。

前回、ジョイント・グアム・プログラム・オフィスや米海軍の資料の施設図面、あるいは、防衛省のグアム移転情報からのリンクされた米国フェデラル・ビジネス・オポチュニティーズのホームページによれば、グアム・アンダーセン空軍基地ノースランプ地区において、普天間所属の第三六海兵航空群など、海兵隊の航空戦闘部隊のための航空運用機能が整備される予定であること、これを防衛省、大臣にも認めていただきました。しかし一方で、防衛省は、いずれにせよ第三六海兵航空群は辺野古に移転すると繰り返しています。これは全く説得力がありません。

二〇一六年四月十二日、基地担当のピーター・ポトクニー国防次官補代理は、米国連邦議会上院軍事委員会に提出した供述書、ステートメントにおける沖縄からグアムへの海兵隊移転の項目で、以下のように記述しております。お手元に資料を届けてございます。

元の二〇一〇年のレコード・オブ・ディシジョンに含まれていたため、アンダーセン・ノースランプにおける海兵隊航空戦闘部隊の施設整備は他の工事より先行しており、そのまま進められている、と書いています。つまり、二〇一〇年に全てのアセス手続が完了しており、着手されているということです。

防衛省は、こうした情報を把握していますか。これについてどのような見解でしょうか。

政府参考人(防衛省 中村吉利君)

お答え申し上げます。二〇一六年四月十二日、ポトクニー国防次官補事務代理が米連邦議会上院軍事委員会に提出した供述の中に委員御指摘のような記述があることは承知をしております。

アメリカは、在沖米海兵隊のグアムへの移転事業を進めるに当たりまして、二〇〇七年から二〇一〇年まで、米国内法であります国家環境政策法に基づく環境影響評価を実施をしております。その後、二〇一二年四月の2プラス2共同発表におきまして、グアムに移転する海兵隊員の人数及び構成の見直しが行われ、事業規模が縮小しております。これを受けまして、米側は提案した行動に大きな変更を行った場合、補足的環境影響評価を実施することを定めた国家環境政策法に基づく環境品質協議会規則に従いまして、二〇一二年から二〇一五年までの間に補足的環境影響評価を実施をしているところでございます。

他方、アンダーセン空軍基地北部地区を含めまして、二〇一二年、事業計画を変更する必要のなかった地区につきましては、当初の環境影響評価の結果が引き続き有効であるとして、米側はこの結果に基づいて事業を進めてきているものと承知をしているところでございます。

伊波洋一君

ただいま答弁のように、実際には、二〇一〇年にアンダーセン空軍基地のノースランプ地区における工事についてはそのまま確定をしているということであります。そういうことを含めて、今日、この質問をしていきたいと思います。

それに対して、平成二十九年に第三六海兵航空群が行くという話を先回回答いただいたわけですけれども、これは私が理事会協議事項にしたことについての回答でございました。その際、防衛省から、文書や口頭などどのような形式で、どのような文面で、文言で問い合わせ、そして米国側の海兵隊や在日米軍である、あるいは国防総省、どこに所属する誰がどのような形式で回答があったのでしょうか、お答えください。

政府参考人(防衛省 槌道明宏君)

第三六海兵航空群につきましては、平成二十九年に米国側に問い合わせた際に、沖縄に残留する旨の回答を得たと、先般御説明したとおりでございますが、日米間のやり取りの詳細については、相手方のあることでもありますので、お答えは差し控えさせていただきますけれども、本件につきましては、防衛省から在日米軍に対して問合せを行って回答を得たものでございます。

伊波洋一君

当時、ポトクニー氏は米国国防総省を代表して議会で証言をしています。これは、現在のトランプ政権への移行に向けての質疑の中でありますね、最初の議会。

四軍の一つである海兵隊、あるいは太平洋軍の下にある在日米軍からの回答とは重みが違います。特に、米国防総省のしかるべき立場の方から正式な回答があったのかどうか、明らかにしてください。

政府参考人(防衛省 槌道明宏君)

先ほどお答えしたとおり、二十九年に問い合わせたというのは、防衛省から在日米軍に対して問い合わせたというものでございます。

伊波洋一君

このように、辺野古新基地に関わる様々な前提的な事実の問題においての問合せ等で、本当に明確にはなっていないということを強く指摘をしておきたいと思います。

今年二〇一九年、先月のことですね、四月九日、調達担当のロバート・マクマホン国防次官補は、米連邦議会上院歳出委員会、軍事施設整備・退役軍人関連省庁に関する小委員会に提出したステートメントのグアム及び北方マリアナ連邦の項目で、国防総省は、沖縄からグアムへの約五千名の海兵隊の移転について継続的に作業をしている、として、海兵航空戦闘部隊について次のように記述しています。

アンダーセン空軍基地のノースランプは、MV22オスプレイ、H1ヘリコプター、CH53ヘリコプターの発着場を備えた米国海兵航空戦闘部隊の拠点、本拠地、ホームとなる。オスプレイを収納する格納庫一、ハンガー1は既に完成し供用されている。全体としてノースランプの施設整備は約五〇%程度完了している、と詳細に書いています。

特に注目すべき点は、ノースランプは海兵航空戦闘部隊の本拠地、ホームとなる、とはっきり書かれていることです。既に、グアムが第三六海兵航空群を含む第一海兵航空団の移転先であり、本拠地であることが明確に示されているのです。

防衛省はこのような情報を把握していますか。これでも、防衛省は第三六海兵航空群は辺野古に移転すると考えるのですか。

政府参考人(防衛省 中村吉利君)

お答え申し上げます。
本年四月九日、マクマホン国防次官補が米連邦議会上院歳出委員会に提出した供述書に、アンダーセン空軍基地のノースランプはMV22オスプレイ、H1及びCH53のプラットフォームを収容する海兵隊航空戦闘部隊の本部となる、オスプレイを収容する格納庫一は完成し運用可能である。全般的にノースランプの建設は約五〇%は完成をしていると記述されていることは承知をしているところでございます。

他方、米側予算によりまして米側が実施する事業については、我が国として関与していないからその詳細について把握をしているわけではございませんが、その上で申し上げれば、我が国としては米国と累次の機会を捉えて計画の状況を確認しながら進めているところでございます。

したがいまして、米国の予算により整備される施設であっても、予算措置状況ですとか工事の進捗状況に限っては必要な確認を行っているところでございます。

委員御指摘のとおり、アンダーセンの北部地区におきましては、航空戦闘部隊の建設が進んでいるところでございますけれども、こちらにつきましては、先日来御答弁を申し上げているとおり、第三六航空群の移転する場所ではないというように認識をしているところでございます。

伊波洋一君

従来から、そもそもグアム移転協定の中で議論されていることも含めて、これまでも委員会でも明らかにしてまいりましたが、今、日本政府は三千四百億円のお金を支出してこのグアムに施設を造り、テニアン島に演習場を造っているわけです。これは、まさにそういうことを、海兵隊の部隊が、航空部隊が使うためのものであるということは明らかでございます。

そういう意味で、河野外務大臣は公共事業の問題に取り組んでこられたと思いますが、グアム移転と辺野古新基地建設、ここまでお聞きになって、いわゆるこの普天間の施設がグアムにも造られ、また辺野古にも造られるという、こういう税金の使い方、本当に実際どうなっていくのか分からない、明らかなことをおかしいと思わないかどうか、これ一点。

また、岩屋防衛大臣には、先月、マクマホン国防次官補が、グアムのアンダーセン空軍基地ノースランプは、今申し上げたように、米海兵隊航空戦闘部隊の本拠地、ホームになる、と表現したということをどのように受け止めていかれるのか、そのことについて是非御所見をお伺いしたいと思います。

外務大臣(河野太郎君)

政府として早期に辺野古への移設と普天間飛行場の返還を実現したいという考えに変わりはなく、先月の2プラス2でもこの点につき再確認いたしました。

政府としては、今後とも地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、そして沖縄の負担の軽減を図るため全力で取り組んでまいります。

防衛大臣(岩屋毅君)

抑止力の維持と、そして危険性の除去、この二つを解決する道はこの辺野古への移設だというふうに考えておりまして、今、河野外務大臣から答弁ありましたように、先月の2プラス2、日米2プラス2でもそのことを再確認させていただいたところでございます。

地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、一日も早く普天間飛行場の全面返還を実現してまいりたいと考えております。

委員長(渡邉美樹君)

質疑をまとめてください。

伊波洋一君

はい。私は二〇一〇年まで宜野湾市長をしておりましたので、その当時から、グアム移転協定、様々な資料を基に普天間の移転先としてはグアムであると、それでグアムがそういう施設を造っている、現実にそうなっております。こうした中で、工事費用も工事期間も分からないような新基地建設をこの辺野古で行い、そして、県民の反対の中、押し切って、本当に実現できるか分からないようなことを今、日本政府は行っております。

しかし、これについて、なぜグアムにちゃんとしたものができ上がってくるのに、そしてグアム移転協定でも抑止力は強化されると日米が合意しているのに、あくまで沖縄に基地を押し付けるという今の日本政府の態度は是非改めていただきたい、そのことを再検討していただくことを求めて、質問を終わりたいと思います。