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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2019年5月16日)

2019.1.28~6.26 第198回常会

伊波洋一君

ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。本承認案については異議はありません。

昨日は五・一五でした。一九七二年五月十五日の日本復帰から四十七年になります。復帰後、沖縄は社会基盤の整備が進み、今日、三百万人以上の外国人観光客を含め、約一千万人の観光入域者を迎える国際観光地として発展をしています。しかし、変わらないのが広大な米軍基地の存在と沖縄県民への基地負担の存在であります。

グアム移転の米太平洋海兵隊の指令部責任者は、沖縄は発展を遂げていろんなものが基地のフェンスに迫るようになり、行うことができる訓練が制限され、限定されるようになったということを指摘し、グアム移転の必要性を説明しております。今日求められているのは沖縄基地負担の軽減であって、新基地建設ではありません。そのための在沖海兵隊のグアム移転というのがあるわけでございます。

五月七日のニュースにより、昨年まで在沖海兵隊トップであったニコルソン氏が、在任中、辺野古新基地の将来的な軍民共用、共同使用やキャンプ・シュワブの自衛隊と米軍との恒常的な共同使用を提案していたことが明らかになりました。いつどのような提案を政府としては受けたのでしょうか。

防衛大臣(岩屋毅君)

その報道については承知をしておりますけれども、日米間での具体的なやり取りの内容については控えさせていただきたいと思います。

その上で申し上げれば、普天間飛行場の代替施設につきましては、これ稲嶺知事の時代だったと思いますが、まだ沖合、海上案だったときだったと思いますけれども、軍民共用とする方針も過去にはございました。しかし、この方針は平成十八年に廃止されまして、現在辺野古に建設中の代替施設は普天間飛行場の三つの機能のうちオスプレイなどの運用機能を移すためのものでございまして、大型の固定翼機の運用を前提としておりません。したがって、滑走路の長さも現在の普天間飛行場に比べて大幅に短縮されているところでございます。

現状については今申し上げたとおりでございます。

伊波洋一君

辺野古の軍民共用、共同使用の提案もあったということは、現計画が滑走路が短いこともあり、海兵隊にとっては本音では辺野古新基地は必要ないということを示すものではないでしょうか。

二〇一六年四月十二日に、基地担当のピーター・ポトクニー国防次官補代理は、アンダーセンのノースランプにおける海兵隊航空戦闘部隊の施設整備は他の工事より先行している、と連邦議会上院軍事委員会で証言しました。

また、二〇一九年四月九日に、調達担当のロバート・マクマホン国防次官補は、国防総省は沖縄からグアムへの五千名の海兵隊移転について継続的に作業をしている、とし、アンダーセン空軍基地のノースランプは、MV22オスプレイ、H1ヘリコプター、CH53ヘリコプターの発着場を備えた米海兵航空戦闘部隊の本拠地となる、と米連邦議会上院歳出委員会小委員会で証言しています。マクマホン次官補は、アンダーセン空軍基地のノースランプがホームになる、と明確にしています。

前回の委員会で、防衛省もアンダーセン・ノースランプはオスプレイを収容する海兵隊航空戦闘部隊の本部となると記述されていることは承知している、と答弁されていますが、防衛省として、海兵隊航空戦闘部隊のヘリ部隊がアンダーセン・ノースランプを本部として常駐すると理解しているということでよろしいでしょうか。

政府参考人(防衛省 中村吉利君)

お答え申し上げます。
本年四月九日、マクマホン国防次官補が米連邦議会上院歳出委員会に提出した供述書におきまして議員御指摘のような記述があることは承知をしております。また、アンダーセン空軍基地の北部地区には海兵隊の人員輸送等のための航空運用機能が整備される予定であるということも承知をしているところでございます。

伊波洋一君

ある意味でそれは常駐されるということで理解しているということなのでしょうね。そういう意味では、この航空部隊は一体どこから来るのか。

沖縄から海兵隊がグアムに移転するからこそ、この基盤整備が日本の予算で行われるということでございます。そうでないということならば、防衛省はそもそも、この沖縄からのグアムへの海兵隊航空戦闘部隊の移転の話だとは理解していないのでしょうか。普天間ではないとしたら、どこか第三の基地から新たなオスプレイを配備する計画だと理解しているのでしょうか。海兵隊航空戦闘部隊が普天間は普天間でホームのまま、新たな別の部隊がグアムをホームあるいは本部として整備するということで理解しているのでしょうか。どちらでしょうか。お答えください。

政府参考人(防衛省 槌道明宏君)

まず、沖縄からグアムに移転する部隊の詳細な計画についてはまだ決定されておらず、今後日米間の協議において取り扱われていくものと考えております。また、グアムにほかのところから移るその他の部隊につきまして、現時点においてその詳細について承知しているわけではありませんけれども、いずれにしても、お尋ねは恐らく三六海兵航空群が移るのではないかということだと思われますけれども、いずれにしても、第三六海兵航空群につきましては、平成二十九年、米国側に問い合わせた際に沖縄に残留する旨の回答を得ているというところでございます。

伊波洋一君

しかし、実際には日本政府が資金提供をして基盤整備を実施し、それを基盤にしてアンダーセン・ノースランプ地区に海兵隊戦闘部隊のホームが整備されます。常駐する海兵隊航空戦闘部隊が沖縄の負担軽減や普天間からの移転に関係のないものであれば、グアムの米軍基地整備に日本政府が総額三千四百億円もの多額の国民の税金を費やすことがなぜ正当化できるのでしょうか。

政府参考人(防衛省 中村吉利君)

お答え申し上げます。在沖米海兵隊のグアムを含む国外への移転につきましては、定員の約一万九千人から約九千人を移転をさせるというものでございまして、確実に沖縄の負担軽減に資するものであると考えております。

その上で、グアム移転事業は、早期にグアムにおける施設基盤を整備をして、在沖米海兵隊のグアムへの早期移転を促進することを通じて、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄の負担軽減を図るという、こういった意義を持つものであると考えております。こうした考え方を基本としつつ、日米間で費用分担について協議を重ねた結果、これは二〇〇八米会計年度ドルになりますけれども、日本側は二十八億ドルを費用負担の上限として直接資金提供をすることとなったものでございます。

政府としましては、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄の負担軽減を早期に実現するため、引き続き日米で緊密に協力しながらグアム移転事業に取り組んでまいりたいと考えております。

伊波洋一君

前委員会でも、平成二十九年に防衛省から在日米軍に問い合わせた結果、第三六海兵航空群は辺野古に移転すると言われたと答弁をしています。マクマホン国防次官補は、国防総省を代表して米国連邦議会で証言しています。

国防総省と在日米軍では発言の重みが違います。どちらが公的な米政府としての立場を代弁するのかは明らかです。国防総省の次官補が証言している内容こそが米国政府の公的な計画ではありませんか。

国防次官補がアンダーセン・ノースランプをホームと証言しているのがどの海兵隊航空戦闘部隊なのか、改めて日本政府として問い合わせ、米国防総省の公的な回答を求めるべきではありませんか。

政府参考人(防衛省 中村吉利君)

お答え申し上げます。
沖縄からグアムに移転する主な部隊につきましては、第三海兵機動展開旅団司令部、第四海兵連隊、第四戦闘後方支援大隊の全部又は一部であると承知しております。他方で、移転する部隊の詳細な計画についてはいまだ決定をされておらず、今後、日米間の協議において取り扱われていくものと考えております。

その上で申し上げれば、その他の部隊につきましても、必要に応じて今後の日米間の協議などを通じて情報収集をしてまいりたいと考えております。

伊波洋一君

ただいま、まだ未定だということでお答えですが、普天間所属部隊が将来アンダーセン・ノースランプをホームにするのであれば辺野古の新基地建設は必要ではありません。マクマホン国防次官補の証言は極めて重要です。

委員長、国防次官補が証言したアンダーセン・ノースランプをホームにする海兵隊航空戦闘部隊とはどの部隊なのか、日本政府、防衛省として米国防総省から公的な回答を得て委員会に御報告していただくよう、お取り計らいをお願いいたします。

委員長(渡邉美樹君)

後刻理事会において協議いたします。

伊波洋一君

まとめますけれども、実態は、ニコルソン提案にもあるように、米国にとってグアムのアンダーセン・ノースランプが海兵隊航空戦闘部隊のホームであり、本来の意味での普天間代替施設です。辺野古新基地建設は必要ありません。工事の停止と再検討を求めて、質問を終わります。