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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2020年3月18日)

2020.1.20~6.17第201回常会

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伊波洋一君

ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。事業費として一兆円近い辺野古新基地建設について伺います。今日は、港湾の施設の技術上の基準・同解説を監修された国交省の港湾局にお越しいただきました。

港湾の基準のサンプリングの項目に、サンプリング後の原地盤が応力解放によって影響を受ける旨の記載はありますか。

政府参考人(国土交通省 堀田治君)

お答えいたします。港湾の施設の技術上の基準・同解説のサンプリングの項目には、サンプリング試料の乱れの要因の一つとして応力解放が考えられる旨の記述はございますが、委員御指摘のサンプリング後の原地盤が応力解放によって影響を受ける旨の記述はございません。

伊波洋一君

ただいまお話がありましたサンプリングの試料についての話は、あくまで地盤の、原地盤の話ではなくて、試料を持っていくことによってという意味で理解していいですか。

政府参考人(国土交通省 堀田治君)

お答えいたします。そのように考えております。

伊波洋一君

国交省の港湾基準の粘性土の剪断強さの試験方法、電気式コーン貫入試験の項目に、応力解放による影響を考慮すべきとする記述はありますか。

政府参考人(国土交通省 堀田治君)

お答えいたします。港湾の施設の技術上の基準・同解説における委員御指摘の項目には、応力解放による影響を考慮すべきという記述はございません。

伊波洋一君

港湾基準の電気式コーン貫入試験の項目には、「近年では、ロータリー式ボーリングの機能を有する貫入機が開発され、礫や強固な地層にコーンが当たった場合には、ロータリー式ボーリングに迅速に切り替えて、貫入再開可能な深度まで掘り進める方法も実用化されている。」との記述、記載があります。

このような業者、装備のカタログもございまして、ロータリー掘削によるダブルサウンディングのことも可能な状況に今あるわけです。れきや強固な地層をボーリングで除去してCPTを継続できるということですね。

政府参考人(国土交通省 堀田治君)

港湾の施設の技術上の基準・同解説における委員御指摘の箇所には、れきや強固な地層にコーンが当たりコーンが貫入不能になった場合に、こうした部分を取り除く方法としてボーリングを行うことがある旨記載されております。

伊波洋一君

サンプリング試料を採取した後、原地盤が応力解放によって影響を受けるということについて、国交省としては聞いたことがありましたか。

政府参考人(国土交通省 堀田治君)

お答えいたします。港湾の施設の技術上の基準・同解説の中に、原地盤が応力解放を受けるという記述はございません。

伊波洋一君

国交省は退席いただいて結構です。

委員長(北村経夫君)

国交省、退室されて結構です。

伊波洋一君

防衛省に質問します。防衛省は、三月十一日の第五回技術検討会で、コーン貫入試験の各種測定値は、土の採取時の応力解放を受けて原地盤の状態を正確に測定したものではないと主張していますが、根拠を示してください。

政府参考人(防衛省 村岡猛君)

お答えいたします。今回のコーン貫入試験については、地層構成の把握を目的に、地層境界の確認及び土の種類を確認する物理試験のため、三メートルのコーン貫入試験と一メートルの土の採取を交互に行っているというものでございます。このため、土の採取を行いました直下のコーン貫入試験につきましては、応力解放の影響を受けまして土の強度を正確に測定したものとなっておらず、その結果から設計に用いる土の強度を推定することは適切でないというふうに考えております。

伊波洋一君

一メートル、試料を取って、三メートル、コーン貫入試験するんですよね。直下というのはどの程度までですか。

政府参考人(防衛省 村岡猛君)

定量的なところは分かりかねますけれども、先ほど申し上げましたように、三メートルのコーン貫入試験と一メートルの土の採取ということを交互に行っておりまして、土質調査報告書、これに記載されておりますコーン貫入試験の測定値を見ますと、土の採取を行った下の土は実際に低い測定値を示しているという状況でございます。

この第五回の技術検討会におきましても、このコーン貫入試験の結果につきまして、サンプリングを行った下のコーン貫入試験につきましては、応力が除去されており、強度は出ていないという旨の御発言があったところでございます。

伊波洋一君

皆さんはこの技術検討会にこの資料を出しました、この資料を出しました。これは、実際のCPTデータの結果報告書ではありません。これはあくまで巻末に出された生資料みたいなものです。それにこのトルベーンやポケットペネトロメーターのイメージ図を出して、ここに印をして、あたかも不正確につくられたような試料だと、こういうふうに出しているんですね。(資料提示)

実際の報告書はこれです。こんなに厚い報告書です。デジタルのデータです。それが皆さんのこの資料、この配付した資料のこれです。でも、これは、皆さんは出してないんですね。この技術検討会には、本来報告されたはずの成果物は出さないで、添付された資料を出しています。いかにもコーン貫入試験で採取されたものが不適格なものだというイメージをやはりつくっているんですね。この力学試験の話もありますけれども、これとてこの業者に聞かなければ、どのような形で係数をつくったのかというのは分からないんです。

ですから、私もいろいろ調べましたけれども、原地盤の応力解放というものが港湾基準には記述もないんです。そんな事実を指摘する論文もない。防衛省のCPTの報告書や詳細施工計画書にもありません。また、応力解放という言葉自体、三月十日のこの委員会における私の質疑でも一度も出ていないんです。突然、第五回の技術検討会に出されたんです。それがこの資料です。二枚目の資料です。この資料に初めて書かれました。もはや、つまり、この報告書というもの自体を否定をする、こういうようなことになっているんですね。しかし、私はやはりこんな、これ何十億掛かったんでしょうね、この調査自体が。そういうものを本当にいきなり否定するということあり得るのかと。

それでは、原地盤で応力解放の影響を受けるとすれば、実際にほかのボーリングをしているところ、これとて土は全部取っています。取った上でまたボーリング試料取っています。それらの試料も全て乱れの少ない試料ではなく、つまり影響を受けているということなんですか。

政府参考人(防衛省 村岡猛君)

お答え申し上げます。土の強度の測定に当たりましては、国土交通省港湾局が監修いたします港湾の施設の技術上の基準・同解説、これに記載されております力学試験の項目にのっとりまして、ボーリング調査において、採取する前の状態をできる限り保つことができる専用の機材で土の試料を採取しまして、更にその分析に当たりましては、専用の機械を備えた施設内で三軸圧縮試験等を行うことにより適切に土の強度を測定を実施をしているところでございます。

伊波洋一君

それは基準がどういうふうに考えているか。つまり、ボーリングを取っても、土を取っても原地盤は影響ないから、適切な器具で乱れのないものを取ることができるとしているわけですよ。

先ほどの皆さんのCPTへの答弁は、その乱れが、一回取ってしまったら、その下はもう乱れるんだと言っているんですよ。乱れる上に、そこにCPT調査をしたデータは不正確なんだというのが一番それ否定する答弁じゃないですか。私が言うのはその器具の話じゃなくて、器具で取る前に原地盤が影響を受けているというのが先ほどの答弁ですよ。どうしてボーリングだとそれが影響を受けていないという答弁になっていくんですか。

政府参考人(国土交通省 堀田治君)

お答え申し上げます。原地盤のところから乱れがない形で器具で採取をしまして、それを室内試験で定められた方法によって原地盤の状況を再現できるような形で再現をいたしまして、まさに原地盤と同様な形で試験ができるということでございます。

伊波洋一君

先ほど国交省は、応力解放などということは原地盤で起きるということは聞いたことがないんだと言っているんですよ。だから、それが成り立つんです。要するに、乱れのないサンプルが取れるんですよ。原地盤、一応取って、空いているんですよ、それを取っている。でも、コーン貫入試験をしたら乱れているんだという言い分ですよね。三メートルもコーン貫入試験するんですけれども、一体どこまで乱れているのかということについては答え切れない、ただ乱れているんだと言っている。

しかし、実際に発注、皆さんはコーン貫入試験のデータ取得を発注しているんですよ。それでは、最初からそもそも正確でないことを前提とした発注だったんでしょうか。

政府参考人(防衛省 辰己昌良君)

この発注につきましては、シュワブ、ケーソン新設工事第一工区詳細施工計画書において、本業務は、辺野古沖合にて、ポセイドン1を使用したコアサンプル採取及びCPTデータの取得を目的とします、取得したコアサンプル及びCPTデータは、土質調査会社で解析するものとしますといって、目的を示しております。

具体的には、この調査地点において、先端抵抗、周面摩擦、間隙水圧、この三成分を計測するためにコーン貫入試験を行うとともに、物理試験のための土の試料の採取を行い、その後、この計測された測定値や物理試験等の結果を解析することによって、調査地点の地層構成の把握、これを目的として行っているものでございます。

ここに書いてありますCPTデータの取得というものにつきましては、先ほど申し上げているように、地層構成を把握することを目的として、コーン貫入試験から計測される先端抵抗、周面摩擦、間隙水圧の三成分ですね、この三成分を取ることを示しておるということでございまして、土の強度の測定を目的とした取得を行っているものではございません。

伊波洋一君

この報告書は、でも、これなんですよ。剪断強さ、非排水剪断強さが全部において報告されているんですよ、全部において。それを皆さんは検討会にも出そうとしない。

つまり、都合が悪いんでしょう。都合が悪くなったからこういうことになっている。実際、報告書は全て、軟らかいという、マヨネーズみたいに軟らかいという報告があっちこっち出て、でも皆さんの手に掛かったら、七十メーター以下は非常に固いになっている。でも、固いを示す資料はどこにもないんですよ、証拠は、推論でしか、別の離れた土地の資料。

そういう中で、実際にこれ、ここにあるこの資料、この資料すら検討会に出そうとしない。ジオキップ社というのは世界で有数のCPTデータ取得の調査会社でしょう。当然、CPTというのはこういう形で一緒に全部出るんです。全部出て、その結果が報告されているんです、この資料の中に。それを無視するということは、今、いけないと思うんですよ。

大臣、これ、いま一度、応力解放の議論も先ほどのように意味のない話でした。だから、防衛省として、改めてこの報告書本文を、CPTデータを技術検討会に提出して委員に検討を求め、そしてまた実際に皆さんがやったことを再検証する、そのことをやっておかないといけないと思うんです。一兆円掛かるんですよ。今、技術者は、このB27のC1の護岸が一番危ないと、もし安定性調査が成り立っていなければ崩れると言っているんですよ。どうでしょうか。検討を願えますか。

防衛大臣(河野太郎君)

既に第五回の技術検討会でこの地点については議論が終わっていると認識しております。

伊波洋一君

こういう資料も提出しないで終わらすのは……

委員長(北村経夫君)

時間が過ぎておりますので、おまとめください。

伊波洋一君

防衛省の責任です。