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国政報告 / 議事録

行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会(2020年5月25日)

2020.1.20~6.17第201回常会

伊波洋一君

ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。本日は、国と地方の行政の役割分担に関連し、新型コロナウイルス対策について、医療法が国と地方公共団体に適切な医療を効率的に確保することを義務付けていることに鑑み、質問します。

新型コロナウイルス対策については、新規の感染者数が減っており、五月十四日に緊急事態対象地域から三十九県が解除され、さらに五月二十一日に関西三府県が解除され、本日、二十五日には残った五都道県も解除されることが決まります。

新型インフル特措法が、緊急事態宣言中の外出自粛や学校等施設の使用制限の要請について、対象地域の知事に判断を委ねるという立て付けであったため、新型コロナ対策における医療提供体制についても、地方が整備して、それを国がサポートするという役割が行われるはずでした。

冒頭述べましたように、医療法は、国と地方に適切な医療の確保を義務付け、都道府県に具体的な医療提供体制の確保を義務付けています。しかし、この間の安倍政権の対応では、基本的な部分は都道府県に丸投げしながら、国はきちんとサポートできていません。逆に、休業要請に関する安倍政権と東京都の相違など、むしろ国が単独で決定することで都道府県知事の足を引っ張るような事態も見られました。

安倍政権が主導した布マスク配布、アベノマスクは対策として残念なものです。五月中に配布を完了する予定でしたが、不良品の混入で検品のため回収され、五月二十日現在、全体の一割程度しか配布されていません。そもそもガーゼマスクは新型ウイルス感染防止効果は認められず、国民の税金と、ただでさえ多忙な厚労省のリソースの無駄遣いであり、妊婦や介護施設を含めて、もう中止すべきです。

PCR検査が政策的に抑制されたため、エビデンスで裏付けられた感染状況の全体像は把握されていませんが、国内では現在、感染者の発生はある程度抑えられています。国内の感染者数は、五月二十一日現在、一万六千四百二十四名、重症者は二千九百十七名、死亡者は七百七十七名です。

我が国の人口百万人当たりの死亡者数は六・三人で、これは東南アジア諸国及び韓国の五・二、中国の三・二より高いものの、ドイツの九十八・二、英国の五百四十七・三、米国の二百八十七・八と比較しても極めて低い数値です。

マスク不足や医療防護具の不足が起こる中、ぎりぎりのところで医療崩壊を免れ、第一波を乗り切れたのは良かったという以外にありません。しかし、第二波への備えでは不足のないようにしなければなりません。

五月十七日に沖縄県保険医協会が公表した緊急調査によれば、七四・二%で医療マスクが不足していると回答しており、中でも、防護服やフェースシールドなどの不足は深刻であることが明らかになりました。

国は県を通じてマスクなどの支給をしてきましたが、まだまだ医療現場のニーズを満たしていません。国は都道府県ときちんとコミュニケーションが取れているのでしょうか。

国は、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針で、感染防止や医療提供体制の確保のため、マスク、個人防護具、人工呼吸器等の必要な物資を国の責任で確保し、必要な医療機関や介護施設に優先配布するとしており、都道府県で不足するマスクなど医療用防護具や医療従事者、病床などの確保についてサポート体制を強化する必要があるのではありませんか。

政府参考人(厚生労働省 迫井正深君)

御答弁申し上げます。マスク、医療用ガウンなどの医療用物資につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いまして、当面は医療機関における需給の逼迫状況が続くものと見込んでございます。

こうした中で、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針におきましても、国の責任で確保をし、必要な医療機関や介護施設等に優先配布することとしておりまして、四月に閣議決定をいたしました緊急経済対策において、医療機関等において不足が見込まれる分を国で確保し、都道府県を通じて必要な医療機関等に優先配布することを盛り込んでおります。

さらに、医療物資に関しましては、四月末から新たに内閣官房IT総合戦略室と連携をいたしまして実施しておりますGMIS、これはウエブの調査でございますけれども、これを活用いたしまして、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れる病院でございますとかPCR検査の検体採取を実施する診療所が要請した場合には、国が直接必要量の医療物資を緊急配布する仕組みを導入いたしておりまして、サージカルマスクであれば三十三・五万枚、N95、KN95マスクを約四・七万枚、アイソレーションガウンを約二十五万枚、フェースシールドを約二十六万枚といった配布を行っておりまして、五月二十二日からは配布枚数を二週間分から四週間分に拡充をいたしております。

さらに、感染拡大防止、医療提供体制の整備等を優先的に取り組む観点から、病床及び軽症者等の療養場所の確保でございますとか、重症者に対応できる医師、看護師等の派遣など、人、物両面からの抜本的強化を図ることといたしておりまして、個々の医療機関や保健所等からGMISを通じて提出をされました医療人材の募集情報を厚生労働省が集約をいたしまして、関連団体、ハローワーク、都道府県に設置をされましたナースセンター等に加えまして、民間職業紹介事業者を通じて求職者に情報提供することによりましてマッチングを行う取組を近日中に開始できるよう検討を進めておるところでございます。

緊急事態宣言の解除の有無にかかわらず、足下の需要を踏まえまして、医療機関等の各種防護具の優先配布を行うとともに、物資の備蓄、病床や医療従事者の確保など、今後の再燃にも備えた対策に万全を期してまいりたいと考えております。

伊波洋一君

今後、予想される感染拡大の第二波に向けて備えなければならないと思います。GMISのお話ししておりますけれども、現在六千ほどつながっているようですが、八千あるいは一万ぐらいの医療施設。毎日、じゃ三十三万枚ぐらい送っているんでしょうか。それでも一か所だって三十枚ぐらいしか行かないわけですよね。そこら辺を考えると、数字はやはりしっかりと把握していただきたいと思います。

第一波では、感染症対応の医療機関、文字どおり医療崩壊の瀬戸際まで追い詰められました。コロナウイルス対応をした医療機関は、通常病院経営が圧迫され、経営的にも厳しい状況とされています。

沖縄県保険医協会の調査でも、開業医の九割が四月の外来患者が昨年比で減ったと回答しています。全国的にも、感染を警戒して、必要な受診や入院を控えたり、乳幼児の予防接種を控えたりしたため、四月以降、外来、入院とも大幅に患者数が減少しており、医療機関の経営に深刻な影響が生じています。

日本医師会も医療機関への経済支援を要請しています。第二波への備えを含め、国民の生命と健康を守るため、医療機関や医療従事者の生活を支える必要があると考えますが、医療体制支援の第二次補正予算案や診療報酬制度の運用など、どうしようとしていますか。

厚生労働副大臣(橋本岳君)

今委員からお話がございましたように、新型コロナウイルス患者への対応を行っているかどうかによらず、医療機関では、外来患者、入院患者の減少により経営が圧迫を、悪化をしているということは私どもも承知をしているところでございます。

まず、考え方として、地域の医療機関は、複数の医療機関が連携して面で対応するものである、ですから、どこか一部が欠ければもう成り立たなくなる、そういうものであろうと思っておりまして、医療機関全般の運営基盤を確保することによって初めて医療提供体制が維持できるというものだと思っております。

そういう意味で、新型コロナウイルス患者を受け入れている医療機関に対してしっかり支援をしつつ、あわせて、地域の医療を担う医療機関全般に対する支援を行うことも重要だと考えております。

このため、新型コロナウイルス感染症により経営に影響が出ている医療機関に対しては、これまで、その診療報酬の特例的な引上げ、あるいは新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金による支援、また福祉医療機構による無利子無担保の優遇等により対応してきましたし、また、これは持続化給付金の方も御利用をいただけるところもある。

ただ、私どもとして、それだけで十分であるとは今のところ思っておりません。今、二次補正予算の編成が大詰めということでありますけれども、その中で、さらにしっかりとした、面でその地域の医療提供体制が守れるようにということ、あるいは医療従事者の方々にしっかりとこれからも支えていただけるようにという思いを込めてその編成作業に当たっているところでございますので、またそのところはしっかりと頑張っていきたい、努力をしてまいりたいと、このように思っているところでございます。

伊波洋一君

ゴールとしてはワクチンでしょうけれども、当分の間は、それができない以上、ウイズコロナの時代が続くというふうになると思います。

しかし、我が国の状況というのは、どうしてこんなに少なくて済んだのかということも含めて明らかにされておりません。検査による感染の全体像把握の必要性はとても強いと思います。この間の政府の対策の検証の必要性について、政府の見解をお伺いしたいと思います。

小委員長(西田実仁君)

ちょっと、時間が来ていますので、簡潔にお願いします。

内閣府大臣政務官(神田憲次君)

お答え申し上げます。先生御指摘のとおり、感染状況の全体像を把握することは重要だと考えております。

これまでも、政府対策本部の専門家会議によって感染状況や検査実施件数、医療提供体制等の評価、分析が行われ、公表されているところでございます。また、厚労省のホームページにおいてもPCR検査実施数や陽性者数等の情報を日々お伝えしておるところでございまして、各県のホームページにおいても感染者数等が公表されているなど、国内外の方々が感染状況の全体像を正確に把握できるように努めておるところでございます。

政府から独立した有識者による検証の必要性について、政府としては、医学、公衆衛生、感染症対策等の分野でとりわけ御知見が深い先生方に専門家会議等の構成員に御就任いただきまして、疫学的対応や医療提供体制の問題などについて議論をいただいておるところでございまして、さらに、基本的対処方針等諮問委員会においては医療の専門家に加え経済学者等にも御参画いただいており、多様な専門性を背景とした議論を重ねており、新たな合議体による検証というのは必要がないというふうに考えておるところでございます。

伊波洋一君

いや、外国の方からの報道では、日本の、科学がなく行われているのではないかという指摘もありますので、やはりその解明はどうしても必要だと思います。あっという間に二波が来て……

小委員長(西田実仁君)

時間になっていますので、お願いします。

伊波洋一君

同じようにならないように、是非よろしくお願いしたいと思います。以上です。