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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2016年10月25日)

2016.9.26~12.17 第192回臨時会

伊波洋一君

沖縄の風の伊波洋一です。

パリ協定の審議の遅れは、米中が協調し、EUが特別措置で批准するという事態を想定し得なかった外交失態にほかなりません。

では、幾つか伺います。

在日米軍及び米軍基地から排出される温室効果ガスは、パリ協定上、我が国の排出量の内数に含まれるのでしょうか。

政府参考人(相星孝一君)

在日米軍の施設・区域から排出される温室効果ガスに関しましては、必ずしも全てが我が国の温室効果ガスの排出として算定対象となるわけではございません。在日米軍の施設・区域におきましても我が国の法令は適用されますが、その執行に当たっては、日米地位協定第三条によって米国に与えられている管理権との調整が必要となるからでございます。

いずれにせよ、在日米軍の施設・区域における温室効果ガスの排出量算定につきましては、米国において適切に対応されるものと理解しております。

伊波洋一君

パリ協定などに見られるように、環境は人類共通の財産、言わばグローバルコモンズであり、多国間の条約で規制していこうというのが国際的な流れであります。生物多様性の保全もその一つであります。

前回、当委員会で私から、日本環境管理基準、JEGS十三章の規定に基づいて沖縄県の米軍北部訓練場のオスプレイパッド建設工事の自主アセスを米国防総省環境司令官に渡したかという問いに、防衛省深山地方協力局長は、調査段階の平成十六年六月に在日米軍司令部に説明し、自主アセス案を公表する直前の平成十七年の十月に現地在沖海兵隊司令部に内容を説明したと答弁されました。それぞれ具体的にどのような説明をされたのでしょうか。

政府参考人(深山延暁君)

お答え申し上げます。

前回、御指摘のとおりの答弁をさせていただきました。その具体的内容につきましては、その細部につきましては米側との関係もあり、お答えすることは差し控えたいと思いますが、概要を申し上げますと、十六年六月、在日米軍司令部に対しまして環境への影響についての調査結果を説明し、ヘリパッドの移設数等について議論が必要となる旨を伝えまして、米側からは一定の理解が示されたところでございます。また、十七年十月には、在沖海兵隊司令部に対して環境影響評価図書案の概要を説明いたしました。これにつきましては特段の意見等はなかったものでございます。

伊波洋一君

私、前回、委員会でも指摘をしましたが、米軍の要求に従ってヘリパッドが造られているというふうにアセスではきちんと書いております。今、深山局長がお話ししておりますのは、やはり米軍に対して、ここはとても重要な環境だから、二つ造る要求に対して一つにしたり、あるいは七十五メートルのヘリパッドに対して整備をするのは四十五メートルとか、そういうものではなかったんでしょうか。

防衛省と環境省はいわゆる自然管理計画の報告も受けておりますけれども、防衛省と環境省は米軍北部訓練場の自然資源管理計画の内容を初めて知ったと思いますが、そこで説明を受けてですね、先日。防衛省は自主アセスで判明した希少種の生息など貴重な情報を米軍に伝わっていたと考えていますか。特に、予定地G地区、H地区に希少種が多数存在すること、米軍にきちんと伝わり理解されているのでしょうか、お答えください。

政府参考人(深山延暁君)

お答え申し上げます。

米側は、日本側関係機関から得られた様々な情報を基に自然資源管理計画を作成しておると承知いたしております。同計画には、ノグチゲラ等の絶滅危惧種や植生管理等のための手順のほか、ヘリコプター着陸帯の移設計画等について記述されていることを確認しており、防衛省が行った環境影響評価による環境調査の内容も適宜反映されているものと考えております。

その上で申し上げますと、北部訓練場におけるヘリパッド移設工事に関するこれは我が方の環境影響評価図書の作成に当たりましては、適宜米側に説明しておりまして、今先生からもお話がありましたように、ヘリパッドの数、当初七つでありましたが六つの移設にとどめたこと、七十五メートルの大きさであったところを四十五メートルに縮小するなど、環境への影響を最小限にとどめる構造といたしたところでございます。

伊波洋一君

はっきりはしないんですよね、答弁を聞いても。一体どういう図書が向こうに渡ったのか、どういう説明をしたのか、その答弁の中で明らかではありません。

JEGSには、自然資源管理計画の作成に当たり、しかるべき日本政府当局と調整を行うと書いてあります。文化庁は、しかるべき日本政府当局に含まれているんですか。自然資源管理計画の作成過程で米軍とどのように調整をしたのでしょうか。

政府参考人(藤江陽子君)

お答え申し上げます。

JEGSにつきましては、在日米軍により作成される環境管理基準であると承知しております。文化庁におきましては、JEGSの内容改定に当たりまして、環境省からの照会に対して意見を提出する対応を行ってきているところでございます。

また、文化庁におきましては、自然資源管理計画に対する直接の意見照会は受けていないところでございますが、JEGS十三章に記載されました米軍施設内に生息する可能性のある天然記念物の動物のリストについて確認を行った結果を回答しているところでございまして、こうした情報を踏まえて適切な環境管理が図られているものと考えております。

伊波洋一君

前回確認したように、米軍オスプレイパッド建設等、オスプレイ訓練によって、沖縄県の調査で、個体数が三百二十羽から三百九十羽と言われる特別天然記念物ノグチゲラが少なくとも五羽、バードストライクで死亡しています。

二〇一四年十月二十九日の沖縄タイムスと琉球新報の報道によれば、東村ノグチゲラ保護監視員の中村氏、当時は、約四十年近く東村のノグチゲラを調査、観察してきたが短期間で四羽も死ぬのは初めて、環境の変化といえばオスプレイの飛来しか考えられず、重低音でパニックを起こしているのかもしれない、異常事態と捉えている、ノグチゲラは国の特別天然記念物だ、県民、国民全体の問題として考えなきゃいけないと話しているそうです。

G、H地区では二十七か所以上も営巣跡が見付かっています。つがいでいるとすれば、三百数十羽しかいないと言われる中、六十羽近くがG、H地区に生息している可能性があります。バードストライクの原因がオスプレイ建設工事かオスプレイの運用かはともかく、これは文化財保護法百六十八条の保存に影響を与える行為であると考えます。

文化庁は、事業者である防衛省と事前協議をいつ実施したのですか。G、H地区にノグチゲラの営巣が二十七か所あることも確認した上で事前協議は実施しているのでしょうか。

政府参考人(藤江陽子君)

北部訓練場ヘリコプター着陸帯及び進入路の設置については、那覇防衛施設局長からの協議に対し、平成十九年五月、文化庁から回答を行ったところでございます。

協議におきましては、G、H地区内におけるノグチゲラの営巣に関する情報も確認しております。また、改変区域内に鳥類の営巣保護区はないとされていたところでございます。

伊波洋一君

自主アセスでは建設の際はCH53ヘリの運用を前提にしておりますが、実際に運用されているのはオスプレイです。

今回、資料として配付しております資料、オスプレイの実際の騒音が百デシベルやあるいは九十九デシベルなど、そしてまた、熱排気の資料等が添付してありますが、併せて一番最後にはCH46とオスプレイの差が、およそ十五デシベルほどオスプレイが高いという調査結果も添付してございます。

前回の答弁の中で、オスプレイはCH46よりレベルが低いというそういう説明がありましたけれども、何を根拠にオスプレイが静かと言うのか、その根拠を明確に御説明ください。

政府参考人(深山延暁君)

お答え申し上げます。

北部訓練場におけるヘリパッド移設工事に関する環境影響評価におきましては、御指摘のとおり、CH53を対象機種として実施しているところでございます。これは、当時沖縄で運用されたヘリで最も騒音が大きいものがCH53ヘリだったためと承知しております。

このCH53Eとオスプレイの騒音レベルでありますけれども、これは別の工事でありますが、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価で我々数字を挙げておりますけれども、例えば、音源からの距離が百五十二メートル離れたところでいいますと、CH53Eが八十九・三デシベルに対してオスプレイが八十八・〇デシベル、音源からの距離が約三百五メートルであるところで計測いたしますと、CH53が八十三・〇デシベル、オスプレイが八十一・〇デシベル、こうした計測結果がございますので、CH53EとMV22のオスプレイとの比較、CH53Eを対象機種として行った北部訓練場に関する環境影響評価については、これはオスプレイを導入するということでも変更の必要はないと考えておるところでございます。

委員長(宇都隆史君)

時間を過ぎておりますので、質問をまとめてください。

伊波洋一君

まとめますが、私の質問は、深山さん、46に比較して、これと比較しましてもオスプレイの騒音はおおむね低くなっているということでございますという答弁に対するその根拠を示してくださいということです。

ですから、そのことについて答弁をいただいて、午後につないでいきたいと思います。どうぞ。

委員長(宇都隆史君)

時間過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。

政府参考人(深山延暁君)

46との比較におきましては、当方が、防衛省がMV22オスプレイという説明資料をこれは平成二十四年に出しておりますが、この中で私どもは米側環境レビューのデータを引用しておりますけれども、これによりますと、また必要があれば資料等お出しいたしますが、例えば高さ二百五十フィートの場合にCH46は百一デシベル、転換モードの場合、ナセル角八十度で百、六十度で九十七、固定翼モードで九十三と音量は小さくなるという、などなどのデータを得ているところでございます。

伊波洋一君

引き続き、午後、続けます。

ありがとうございました。


伊波洋一君

沖縄の風の伊波洋一でございます。午前中に引き続き、質疑いたします。

午前中、深山局長はCH46の騒音について米軍の資料等を説明していたようですけれども、何か、なかなか明瞭ではありませんでした。

今お手元に資料を今日提出をしておりますが、このオスプレイの記事の一番後ろの方に琉球大学工学部准教授の渡嘉敷健氏の資料がございます。渡嘉敷氏は、オスプレイ配備以来、オスプレイや普天間飛行場を離発着するヘリコプター等の騒音と、特に低周波振動を調査研究をしておりますけれども、ここにもありますように、同一地点で同一場所を飛んでいるオスプレイが、これだと八十二・六デシベル、CH46だと六十八・二デシベルと、このように明確な違いがございます。

それから、表の方を見てみますと、「オスプレイ 早朝に百三デシベル」、あるいは「夜間訓練で九十九デシベル」、さらに「低周波音 他機種上回る」とか、それから人的な感覚、それから、さらにまた高熱の排気による火災等、そういったものが県内ではよく報じられております。

特に、この報じられているデシベルについては、宜野湾市や沖縄県が測定器を置いていたりするものであります。毎年そういう報告書がちゃんと出ます。さらに、防衛省は、いわゆる普天間飛行場周辺に測定器を置いて調査をしております。そういう事実を明確に見ないで、米軍の資料等を参考にして、CH46がオスプレイよりもっと音があるんだというような答弁を国会の場でするということは、私はやはりこれは国としてあってはならないことだと思います。

現に、普天間第二小学校とか、あるいはその他の地区に置いてありますので、直下の、その直上を飛ぶような場所にもありますから、是非それを明らかにして具体的な比較を再度示していただきたいと思いますが、深山局長、よろしく答弁してください。

政府参考人(深山延暁君)

お答え申し上げます。

午前中御答弁を申し上げたときに正確に言えませんでしたけれども、私が申し上げましたデータによりますと、高度二百五十フィートの巡航時の騒音最大値、ピーク騒音で比較しますと、CH46は九十七デシベル、オスプレイは九十五デシベル、騒音暴露レベルで比較しますと、CH46は百一デシベル、オスプレイは百デシベル、高度五百フィートでの巡航時の騒音最大値で比較すると、CH46は九十デシベル、オスプレイは八十八デシベル、騒音暴露レベルで比較すると、CH46は九十六デシベル、オスプレイも同値で九十六デシベルというデータを我々としては得ているところでございます。

また、当方で設置いたしました騒音につきましてでございます。新聞報道の御指摘もありましたが、平成二十七年八月二十七日早朝、午前六時三十七分に宜野湾市大謝名で九十八・三デシベルを記録いたしたというような記録は、当方でも測定値として把握しているところでございます。

伊波洋一君

さらに、今申し上げましたように、高熱排気の問題もあります。そういう意味では、単純にヘリでやったからオスプレイでいいというふうにはならないわけです。ところが、前回の委員会ではそのことを、CH46よりも、比較してもオスプレイの騒音はおおむね低くなっているということだから、ヘリでアセスをしてオスプレイを置いておくことに何ら問題はないという答弁になっているわけですよね。

しかし、それでは私たちは納得がいかないわけです。現実の問題として、なぜオスプレイでこれだけ、高江だけの問題ではなくて各地でいろんな被害の問題が起こっているのかということを真摯に見てもらわないと。そういう意味では、本来アメリカの国内では住宅地上空は飛行させない、あるいはハワイなどでは、そういう自然豊かなところでは飛行させない、そういうことがきちんと通っているわけですね。そういう意味で、是非これからも、今の対応についてはやはりおかしいと、このように思います。

この前回の答弁では、今後については、オスプレイについてはこれはやっていませんので、その調査を、予定をしている調査、事後調査ということを答弁をしたわけですけれども、防衛省としてはいかなる事後調査、これをやろうとしているのか。もう既にN4は提供されております。現実に飛んでいます。その事後調査なしに、そういうことを飛ばすことについての考えというのはどういうことなのかということを是非お聞かせください。

政府参考人(深山延暁君)

ただいまお尋ねのありました事後調査においてでございますけれども、既にヘリパッドが完成いたしまして供用しておりますN4地区について事後調査をしておるところでございます。

この事後調査につきましては、熱風による影響については、周辺林内、林の中の乾燥化による貴重な動植物の生息状況について、N4地区のヘリパッド完成以降その調査を実施してきておりますが、平成二十六年度の調査結果によりますと、環境影響評価を行った時点で確認できた動物の種類数は五十五種でございましたが、当初の環境影響評価を行った時点で確認された動物の種類は五十五種でありましたが、二十六年度に調査した結果、六十四種が確認されました。種類数の低下等の環境悪化の傾向は認められなかったものと考えております。

また、騒音につきましては、平成二十六年度の測定結果によれば、北部訓練場周辺において騒音結果を実施している三か所全ての測定地点において、いずれも四十デシベルを下回っており、環境基準である五十七デシベル以下の結果となっているところでございます。

また、低周波騒音につきましては、低周波音の影響につきましては調査研究の過程にございまして、個人差や建物の状態による差が大きく、また未知の部分もあることから、現時点における環境基準が定められていないものと承知しております。

防衛省としても、普天間飛行場代替施設建設事業に際して事後調査を適切に行うため、調査手法や評価指標等について検討を行っているところでございます。

伊波洋一君

ただいま四十デシベルなどというような音が出ているようですが、どこで測ったのか分かりませんね。そもそもオスプレイは直下であれば百デシベル近くの音が出るわけです。そういうことも含めて、いずれ資料は提供いただきたいと思いますけれども。

文化庁は、このようなオスプレイが運用されるということまで認めているんでしょうか、協議をしたということでありますけれども。本来であれば、前提が全く異なる以上、再度オスプレイの天然記念物ノグチゲラへの影響を評価した上で事前協議をやり直すべきだと思いますが、再協議を求める考えはありませんか。

政府参考人(藤江陽子君)

午前中の答弁で申し上げました北部訓練場ヘリコプター着陸帯及び進入路の設置についての那覇防衛施設局長からの事前協議への回答におきましては、文化庁からは、事業の実施に際し、工事中及び供用後のモニタリング調査の結果を適宜沖縄県教育委員会へ報告するとともに、必要に応じた対策を取ることなどの配慮事項を示し、沖縄県教育委員会と適切に協議することを那覇防衛施設局長宛てに依頼しているところでございます。

文化庁といたしましては、沖縄防衛局が行うモニタリング調査の結果を踏まえ、沖縄県教育委員会と連携を図りつつ対応を検討することが適当であるというふうに考えております。

伊波洋一君

今、文化庁の方から答弁ありましたけれども、モニタリング調査と、そして沖縄県教育委員会との連携とを防衛省としてはやっていく考えですか。

政府参考人(深山延暁君)

御指摘の文化庁、現地におきましては沖縄県教育委員会との協力、連携でございますけれども、当方では、防衛省といたしましては、事後調査報告書を沖縄県教育委員会へ提出いたしております。これまで二回提出いたしておりまして、二十六年十二月二十四日、二十七年八月四日、二回提出しております。

このように、引き続き、こうした事後調査につきましても県の窓口に提出して協力させていただきたいと思っているところでございます。

伊波洋一君

今提供されているN4というのは昔から近くで運用されていたものですね、ヘリパッドが。ところが今、皆さんもう一つの資料がありますけれども、今新たに空けられているのは、この下にあるように、全く何もなかったところに大きなヘリパッドが造られているところです。実際、七十五メートルのヘリパッドが、ヘリパッドは四十五メートルですけれども、空けられている。これがまさに今指摘をしているG地区、H地区、極めて希少な生物、そしてまたノグチゲラを含めて多くの絶滅危惧種がいるわけです。

こういう中で今行われているわけでありますが、環境省にお聞きしますけれども、今、生物の種の保存法など、いわゆる環境の政策、法制等がありますけれども、パリ協定を含む環境法制は自衛隊及び基地に完全に適用されるということでよろしいでしょうか。

国務大臣(山本公一君)

一般論といたしましては、自衛隊及びその基地に対しては、個別法において例外を定めていない限り、基本的に我が国の関係法令が適用されると承知をいたしております。

伊波洋一君

前回の外務省との質問、答弁ででも、米軍基地にも国内法が適用されるということであります。さらに、その意味では、ある意味で米軍自身がJEGSの中で絶滅危惧種の保存を義務付けているということであります。そういう意味では、私たち政府の取組こそが米軍基地内の絶滅危惧種の保全というものをやはり意識的にやっていかなきゃならないだろうと思います。

そこでお尋ねしますけれども、種の保存法の三十四条は、「土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、国内希少野生動植物種の保存に留意しなければならない。」と規定していますが、この規定は米軍の北部訓練場にも適用されるということでよろしいでしょうか。

政府参考人(正田寛君)

お答え申し上げます。

在日米軍の施設・区域は日本の領域であり、施設・区域内においても種の保存法を含む我が国の法令は適用されますが、その執行に当たっては日米地位協定第三条によって米国に与えられている管理権との調整が必要となると理解しております。

伊波洋一君

確かにそうですね。しかし、米軍自身も様々な形で基地内における絶滅危惧種の保護をJEGSで規定しています。義務付けています。ですから、そういう意味では、そのアクションを日本政府が起こすことは極めて合理的な話だと思います。

ですから、そのことについて、やはり政府として、日本の領土にあって、そしてそこが生物多様性に富み、そして世界自然遺産にも匹敵するとして位置付けられているエリアについて、この間私はこの質疑を通して感じておりますのは、それがほとんどなされてこなかった、現実に省庁間の連携が取れていないと、このように思っております。

最初の質疑、九月の質疑では、岸田外務大臣は、我が国としましては、御指摘の点も含めて米側がJEGSに基づいてしっかりと対応するよう働きかけていく、これはあるべき姿として重要でありますと、こう答えました。さらに、前回は、防衛省からありました具体的な取組の中でこの基準が活用されていると認識しておりますというふうに答えました。ところが、私が知る限り、明確にはそうはなっていないんです。一体どういう資料が米側に渡り、米側はどういうところからどういう情報を仕入れているかすら明らかではありません。

ですから、これが本当に行われるためには、国として、政府としてしっかりとした道筋をつくる必要があると思いますが、その件について、外務大臣そして防衛大臣に御所見を賜りたいと思います。

委員長(宇都隆史君)

時間過ぎておりますので、簡潔な答弁をお願いします。

国務大臣(岸田文雄君)

はい。

まず、御指摘のように、外務省としては、今後とも関係省庁と連携しつつ、米側がJEGSに基づき環境保全及び安全への取組を適切に実施するよう、機会を捉えて働きかけてまいります。
米側に対してしっかりと働きかけを行いたいと思いますが、御指摘の北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業については、これ日本政府が実施する事業でありますので、このJEGSの適用については直接関係するものではないという認識も持っております。

いずれにしましても、こうした基準が適切に適用されるよう努力を続けていきたいと考えます。

国務大臣(稲田朋美君)

自然資源管理計画は、JEGSに基づき在日米軍が作成し、北部訓練場の自然資源管理計画には、当該地域の気候状況、絶滅危惧種等に係る情報及びその生息を保護するための措置等が記載されており、米側は同計画の内容に沿って北部訓練場における運用を実施しているものと承知をいたしております。

また、同計画については、防衛省として、必要に応じ米側から説明を受けており、文書自体も詳覧しながら内容の把握に努めているところでございます。

伊波洋一君

まず、外務大臣はヘリパッド建設は防衛省の問題だと、それから防衛大臣は承知していると言うけど、実際は承知されていないんです。ですから、実際に提供したら運用は米軍がやるんですけれども、米軍自身に自然資源管理計画がないという現状があるということで……

委員長(宇都隆史君)

質疑をおまとめください。

伊波洋一君

是非これからも引き続き質疑をしたいと思います。

以上で終わります。