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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2017年3月21日)

2017.1.20~6.18第193回常会国会質問

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伊波洋一君

沖縄の風の伊波洋一です。
防衛省のPKO日報隠蔽問題については、防衛大臣も統幕長も責任を免れないと考えております。沖縄の風として、しかるべき段階での両者の辞任を求めます。

さて、沖縄で九六年のSACO合意による基地返還がいまだ実現しない中で、二〇〇五年、六年の日米再編合意で在沖海兵隊八千名と家族九千名の国外移転が合意されました。これがグアム移転です。しかし、グアム住民の反対と米国連邦議会上院の反対を受けて、二〇一二年にグアムへは四千人、残りの四千人に更に一千人を加えた五千人がハワイや米本土に移転することに変更されました。国外移転は九千人に増えました。

SACO合意では海兵隊部隊の変更はなく、演習や訓練等の負担軽減はできていません。しかし、米軍再編では九千名の部隊が一体性を維持した形で国外に移転します。二〇一二年の2プラス2合意でグアム移転と辺野古新基地建設は切り離されました。その意味は、辺野古の進展にかかわらず在沖海兵隊の国外移転を進めるということです。さらに、日本政府は、沖縄海兵隊のグアムなど国外への移転を推進し、二十八億ドル、三千百六十四億円を支出して、グアムやテニアンに演習場や訓練場も建設します。

しかし、そのことにより沖縄の訓練負担が減るということが示されていません。むしろ、訓練は増え続けているのが現実です。このままでは、日本国民、沖縄県民の負担軽減につながらないのに税金が支払われるという異常な状態が続きます。

以上、指摘して、再編特措法に関連して、日米再編合意のグアム移転の現状についてお聞きします。

防衛省は、平成二十三年六月の在沖海兵隊のグアム移転についてとする資料の中で、米側による環境影響評価手続の概要、グアム軍事計画に係る環境影響評価決定の概要を説明しています。この環境影響評価最終案、環境影響評価決定書の意義、あわせて、二〇一五年八月の補足的環境影響評価との関係について整理して御説明ください。

防衛大臣(稲田朋美君)

米側は、在沖米海兵隊のグアムへの移転事業を進めるに当たって、二〇〇七年から二〇一〇年まで国家環境政策法に基づく環境影響評価を実施をいたしました。同法では、環境影響評価においては環境影響評価書最終案を公表し、環境に与える影響についての評価を得た後、当該最終案を基に環境影響評価決定書を公表し、事業を実施する候補地や事業内容等を決めることとされております。

グアム移転事業については、二〇一〇年七月、環境影響評価書最終案が公表され、その後、同年九月に本最終案を基に環境影響評価決定書が公表されております。また、同法に基づく環境品質協議会規則においては、提案した行動に大きな変更を行った場合、補足的環境影響評価を実施することが定められております。

二〇一二年四月の2プラス2共同発表においてグアムに移転する海兵隊員の人数及び構成の見直しが行われ、事業規模が縮小したことから、米側は、同規則に基づき、二〇一二年から二〇一五年までの間、補足的環境影響評価を実施をしたところであります。

なお、事業計画を変更する必要がなかった地区については、当初の環境影響評価の結果が引き続き有効であるとして、米側は当該結果に基づき事業を進めているものというふうに承知をいたしております。

伊波洋一君

私の方からも付け足しますと、二〇一五年八月の補足的環境影響評価、これは皆さんのお手元の資料二枚目の方に国会図書館で作った資料がございます、は、グアム政府と連邦議会の反対を受けて、今申し上げた2プラス2共同発表で再編計画が調整されたことによって改めて環境影響評価が再評価されたものです。ここにありますように、図で示したように、二〇一〇年の最終影響評価報告書は補足以外については有効だと、今防衛大臣もお話しです。

そのことを含めて是非理解していただきたいんですけれども、二〇〇九年二月十七日の最初のグアム移転協定には、グアムが合衆国海兵隊部隊の前方での駐留のために重要であって、その駐留がアジア太平洋地域における安全保障についての合衆国の約束に保証を与え、かつ、この地域における抑止力を強化するものであると両政府が認識していることを強調し、として書かれております。グアム移転が抑止力の強化につながるということを両国が認識しているわけです。

また、二〇〇九年十一月の環境影響評価書の素案、エグゼクティブサマリーにも、海兵隊をグアムへ移転することは太平洋上の米国領土で最前方の配備地へ海兵隊を置くことである、グアムは海兵隊のプレゼンスを支援できる能力があり、沖縄と比較しても、活動の自由を最大限得られ、配備に掛かる時間の増加を最小限に抑えることができる、日本政府の費用分担の合意は、日本の防衛と安全保障に対する米国の責務をグアムの海兵隊が将来も支え続けるということにほかならないと、このように明記されております。これについて、添付資料の最後の方にまとめてございます。

この抑止力を強化するという意味を日本政府はどのように理解、認識しているのでしょうか。

政府参考人(外務省 森健良君)

お答え申し上げます。

御指摘のグアム協定前文の記載は、二〇〇九年の協定締結当時に既に世界規模で行われていた米軍再編、特にアジア太平洋において行われていた米軍再編と相まって、在沖縄米海兵隊のグアム駐留が実現することにより、アジア太平洋地域における米軍の抑止力がより高まるであろうという日米両政府の見通しを明らかにしたものであります。

この点については、二〇一三年十月の2プラス2共同発表においても、在沖縄米海兵隊のグアム移転を含む在日米軍の再編計画について、地理的に分散し、運用面で抗堪性があり、政治的に持続可能な米軍の態勢を実現するものであり、将来の課題と脅威を、効果的に対処するための兵力、柔軟性及び抑止力を与えるものとの認識で一致しているところでございます。

伊波洋一君

政府は、後で質問しますけど、当初司令部だけが移るんだと、このように説明をしておりました。実戦部隊は移らないんだと。

しかし、皆さんにNHKの映像資料の添付をしておりますけれども、米太平洋海兵隊司令部長期運用担当のスミス大佐は、グアムはアメリカと太平洋地域の多くの国々との安全保障上の協力活動のハブとなる、さらに、沖縄は発展を遂げいろんなものが基地のフェンスに迫るようになってきた、三十年、四十年前と比べて人口が増え、経済が発展し、環境問題に対する意識が高まったため、アメリカ軍が日本で行うことができる訓練が限定されるようになった、米軍が即応能力を維持するため日本本土や沖縄で行う必要がある訓練に影響が出ている、他国を招き沖縄の海兵隊と一緒に訓練することは困難である、日本政府は恐らく他国の軍隊が日本の領土に入るのを望まない、グアムはアメリカの領土のため各国の軍隊を招いて合同で訓練することも可能になる、日本ではそれは困難でしょうと、このように述べております。

沖縄からグアムなどへの海兵隊の移転は、このような軍事的な必要性から米軍再編として米国自らが提起しているものであり、沖縄での部分的な訓練はそのまま継続しながら、より広範な訓練をグアムで実施することに主眼があるのではないか。だからこそ、沖縄の負担軽減につながっていかないのではないかと考えます。
政府はどのような見解でしょうか。

外務大臣(岸田文雄君)

沖縄の負担軽減、これは安倍政権の最重要課題であり、できることは全て行うとの方針の下、我が国はグアム移転事業の着実な進展に向けた取組を進めています。

三月十九日から二十日にかけて、武井外務大臣政務官をグアムに派遣して、同事業の進捗状況を確認させるとともに、我が国の移転事業に対するコミットメントを改めて示したところです。

そして、今委員の方から御指摘がありました訓練移転についてですが、これまでも嘉手納飛行場からの戦闘機等の航空機訓練移転、普天間飛行場からのMV22オスプレイの県外訓練等の実施に取り組んできました。

具体的には、嘉手納飛行場周辺の一層の騒音軽減を図るために、平成二十三年十月から戦闘機等の航空機のグアム、テニアンなどへの訓練移転行っており、平成二十八年度は嘉手納飛行場からグアム、テニアンなどへ三回の訓練移転を実施しています。さらに、普天間飛行場の方ですが、平成二十八年九月一日に日米で合意して、普天間飛行場のMV22オスプレイが参加する訓練を沖縄県外の日本国又は米国の施政下にある領域へ移転させるための枠組み、これを新設いたしました。そして、平成二十八年九月十二日から十月五日の間、グアム及びテニアンにおいて普天間飛行場のMV22オスプレイ十六機が参加する訓練移転が行われました。

政府としましては、引き続きこれらの訓練移転の取組、進めていきたいと思います。沖縄の一層の負担軽減に寄与するよう努力いたします。

伊波洋一君

それでは、グアム移転の中身を見たいと思います。

沖縄からグアムに移転するのは、具体的にどの部隊で何名でしょうか。そして、それはどの文書に記載があるのでしょうか。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。

沖縄からグアムには約四千名の在沖縄海兵隊の要員が移転する予定でございます。移転する主な部隊でございますが、第三海兵機動展開旅団、これは3MEBと呼称されるものですが、この機動展開旅団の司令部、それから第四海兵連隊、そして第四戦闘後方支援大隊、これらの全部又は一部であると承知をいたしてございます。ただ、部隊ごとの移転人数を含めましてその詳細な計画についてはいまだ決定されておらず、今後日米間の協議において取り扱われていくものと考えております。

また、もう一つの御質問、どこに記載があるのかということでありますが、これらの主な移転予定部隊については、平成二十五年十月に公表されました在沖縄海兵隊のグアム移転に係る費用内訳の概要という紙がございますが、これにおいて記載をされているところでございます。

伊波洋一君

それでは、グアムに行かなかった五千人は、どこへ、どの部隊が行くのでしょうか。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。

全部で九千人が移動するわけでありますが、うち四千人がグアム、そして残りの五千名につきましては沖縄からハワイあるいは米本土等に移転をするものというふうに承知をいたしております。

伊波洋一君

部隊名を教えてください。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。

人数については約五千名であるということでありますが、具体的な部隊名等々については明らかになっていないというふうに承知をいたしております。

伊波洋一君

こういう形で、具体的には分かっていないんですね。でも、グアムで造られるものが何であるかということを見れば分かると思います。

基本的に、先ほど、この最終環境影響評価書あるいは補足評価書というものがどういうふうになっているかというと、補足評価書は千五百ページほどのものです。最後の二〇一〇年の最終の影響評価書は一万ページあります。この一万ページの中に細かいことがきちんと書かれております。

実際には、二十八億ドルがそのまま使われているように、当初の計画が実現するわけです。当初の計画がグアムで実現します。海兵隊が移っていくということ、そこで多くの訓練ができるようにする、全ての訓練ができるようにする。そういう中で、実際にこの、皆さんに資料も置いてありますけれども、もろもろの実戦部隊が入る、それから投入される航空機部隊も、今の普天間にいるMEU部隊二十五機を含め、あるいは輸送部隊十二機を含め、投入される、そういう計画になっています。それが変更されるということは一言もどこにも書かれておりません。

先ほど防衛大臣がお話ししたように、つまり二〇一〇年の最終影響評価というものは、補足で訂正されるもの以外は有効である。やはり、これはどういうことかといいますと、グアムがまさにこれからの訓練の主体になるんですね。そういう中で、沖縄にいることによって訓練の練度が悪くなると、そのことが文書の中にもきちんと書かれております。そういったことがやはり明確でないと思うんですね。

二〇〇九年六月の米国海兵隊司令官ジェームズ・コンウェー大将は、米連邦議会上院軍事委員会への米国海兵隊の軍事態勢の証言でも、約八千人の海兵隊の沖縄からグアムへの移転は、沖縄の海兵隊が直面している民間地域の基地への侵害、インクローチメントと言いますけど、を解決するためと、このようにしています。まさに普天間基地が最大のこの侵害、インクローチメントの問題であることは明らかなんです。当初のグアム移転計画から実動部隊の移転が含まれていたことは明らかです。

政府はこれを否定をして、当初ロードマップの合意は司令部中心だったとずっと言ってきました。どういうことか説明をしてください。

政府参考人(防衛省 深山延暁君)

お答え申し上げます。

当初、グアム移転計画ができましたときには、先生御指摘のとおりでありますけれども、要員約八千名、これが司令部中心としてという説明を受けており、日米でそのような合意をしたところでございます。

その後、海兵隊の方でも、先ほど防衛政策局長からも答弁がありましたが、海兵隊空地機動部隊という単位で各地に展開すると米側の構想が変わりましたこともありまして、沖縄からも司令部要員も含めた人数が合計九千名転出する、その上でグアムには四千名、その他の地域へ五千名展開するという構想に改まったものと承知をいたしているところでございます。

伊波洋一君

今のファイナルの環境影響評価書は、まさに二〇一〇年のものなんです。その一〇年が、実戦部隊をきちんと書き、そして演習場の必要性、具体的な訓練のありよう、全部書いています。だからこそ、沖縄から海兵隊がグアムに行って、そこで抑止力が強化されると言っているんです。

それでは質問しますけれども、直近の海兵隊の人数は今何名ですか。

政府参考人(外務省 森健良君)

海兵隊の人数につきましては、その時々の状況に応じて変動し得ることから、正確な人数を一概にお答えすることは困難でございます。

その上で申し上げますと、二〇一六年三月時点の在沖縄米海兵隊の人数が、その三年前であります二〇一三年十二月時点で公表されました一万八千人とおおむね同じ数であるという説明を在日米軍司令部から受けております。そして、この数字が政府として承知している直近の海兵隊の人数でございますけれども、その後、この数字が大きく変わったということは承知しておりません。

伊波洋一君

国防総省のディフェンス・マンパワー・データ・センターというのがあります。それには在日海兵隊の総数が一万九千百三十七人と二〇一三年は書いています。しかし、岩国にも三千人いますから、沖縄にいるのは一万六千人ぐらいになるわけですね。そうすると、二千人ぐらい上増しされているんですね。そういう意味では正確ではないと思います。

現在のマンパワーセンターの数字は一万三千五百二十一人です。二〇〇八年は九千八百八十六人です。是非、この十年間の在沖海兵隊の人数ぐらいしっかり把握して、委員会に報告するよう求めます。委員長、取り計らいをお願いしたいと思います。

委員長(宇都隆史君)

ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。

伊波洋一君

日本政府は、辺野古に新基地建設をしたいがために、どうしても一万人の海兵隊が沖縄に残ると考えたいように見えています。また、訓練の海外移転にも取り組まず、放置し、かえって沖縄各地で訓練強化を許しています。

米軍再編の結果として、海兵隊は沖縄から移転されます。民主主義と地方自治を破壊して、豊かな自然環境を破壊して巨大な辺野古新基地建設を造る必要は全くありません。このことを強調して質問を終わります。

以上です。