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国政報告 / 議事録

外交防衛委員会(2017年6月6日)

2017.1.20~6.18第193回常会国会質問

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伊波洋一君

沖縄の風の伊波洋一です。
まず、防衛省へ質疑いたします。
五月二十四日にネラー米海兵隊司令官が、北朝鮮の核問題などを念頭に、在沖米海兵隊のグアム移転計画を見直す可能性を米議会で証言し、米軍再編計画の不透明性が高まっています。
我が国は北朝鮮の弾道ミサイルの射程に入るのでしょうか。北朝鮮のミサイルの射程に入るとすれば、そのことは沖縄の地理的優位性の議論にどのような影響があると捉えていますか。

防衛大臣(稲田朋美君)

まず、ミサイルの射程のお尋ねでございます。現時点で北朝鮮で実戦配備されているもののうちで最大射程を有するのはノドンであると見られ、射程は約千三百キロメートルに達すると見られます。平壌を中心として射程約千三百キロメートルの円を描けば、沖縄などを除いて我が国のほぼ全域が射程内に入る可能性がございます。また、北朝鮮は更に射程の長い弾道ミサイルを開発をしているというふうに見られます。
他方、沖縄の地理的な特徴について、沖縄は朝鮮半島、台湾海峡といった潜在的紛争地域に近い位置にあると同時に、これらの地域と一定の距離を置いております。また、沖縄は南西諸島のほぼ中央に所在し、我が国のシーレーンに隣接するなど、安全保障上極めて重要な位置にございます。さらに、周辺国から見ると、大陸から太平洋にアクセスするにせよ、太平洋から大陸へのアクセスを拒否するにせよ、戦略的に重要な目標となるというふうにこれまで防衛省も説明をしてきているところでございます。
こういった沖縄の持つ地理的な優位性、これは沖縄が北朝鮮の弾道ミサイルの射程に入るか否かのみをもって議論されるべきではないのではないかと、このように考えているところでございます。

伊波洋一君

もう既にアメリカ自身が大陸間弾道弾に向けた北朝鮮の核ミサイル開発等を懸念している中で、私たちがやはりノドンだけを想定して沖縄などは入らないなどというような認識ではいけないんだと思います。既にグアムへの到達もあり得るということを前提に米軍は考えているようであります。
同じような認識が一六年九月十六日の福岡高裁那覇支部の辺野古訴訟高裁判決で、北朝鮮が保有する弾道ミサイルのうち、ノドンの射程外となるのは我が国では沖縄などごく一部であるということを記して沖縄の地理的優位性を強調しています。そのことによって辺野古への新基地建設を正当化していますが、実際には現実とは随分違うということをまず指摘をしておきたいと思います。
今、防衛大臣がおっしゃったように、防衛省、平成二十三年度発行のパンフレット、在日米軍・海兵隊の意義や役割でも、沖縄の地政学的位置として、朝鮮半島や台湾海峡といった潜在的な紛争地域に迅速に到達可能、距離的近接性による対応の迅速性確保は軍事上極めて重要であると記載しています。
そこでお伺いしますが、沖縄の米軍基地は台湾海峡有事に備えたものなのでしょうか。台湾海峡有事は、安全保障政策上、日本が関与すべき事態という認識なのでしょうか。

防衛大臣(稲田朋美君)

安保体制の下で、在日米軍において緊急事態に迅速かつ機動的に対応できる体制が平時から在日米軍においては取られており、このような在日米軍のプレゼンス、これは米国が有する核戦力、そして通常戦力と相まって抑止力として機能をしているというふうに思います。
また、地理的な優位性を有する沖縄に、優れた機動性、即応性を有し幅広い任務に対応可能な米海兵隊、制空や警戒監視などの重要な航空作戦に当たる米空軍といった米軍が駐留することは、日米同盟の抑止力、これを構成する重要な要素であって、我が国の平和と安全を確保する上で必要だというふうに考えております。
さらには、かつてフィリピンからの駐留米軍の撤退が南シナ海における地域の安全保障環境に負の影響を及ぼしたとの見方があるとおり、戦略的要衝たる沖縄に米軍のプレゼンスを維持し、力の空白をつくらないことが地域の平和、安全の確保にも重要であるというふうに認識をしているところでございます。
御指摘の台湾海峡をめぐるこの問題については、我が国としては、両岸当事者間の直接の対話により平和的に解決されること、これを期待しておりまして、引き続き両岸関係の推移を注視してまいりたいと考えております。

伊波洋一君

台湾海峡有事については、中国、台湾、それぞれのやはり話合いということですので、そういう方向を是非実現していただきたいと思います。
今、核抑止力の問題が言及されました。しかし、今日アメリカでも既に核はもう使わないものということが一定、ある程度でき上がっている。どうしてかというと、中国はもう既に核弾道ミサイルを持っております。ですから、そういう意味でアメリカが中国に核ミサイルを撃つということはもうあり得ない現実ではないかと、こういうふうに認識しています。そのことが日本政府においてはまだ理解されていないと、このように思います。
さて、ネラー発言を受けて、お手元に資料を配付してございますが、六月四日付けの琉球新報において、米ジョージ・ワシントン大学のマイク・モチヅキ教授が、中国の台頭と北朝鮮の核武装を前提として、米軍の前方展開戦略を見直す時期が来た、今までは抑止力の観点から辺野古への移設を進められてきたが、今後は危機管理、危機対応の議論が必要だ、朝鮮半島有事では、沖縄では遠過ぎる、九州が一番合理的だと述べています。沖縄からソウルまでは千二百六十キロ、九州からソウルはその半分以下です。沖縄に地理的優位性がないことは明らかではないかと考えますが、防衛大臣に質問いたします。
朝鮮半島有事に沖縄では遠過ぎるという意見について、大臣はどのように考えるでしょうか。

防衛大臣(稲田朋美君)

今の沖縄よりも朝鮮半島に近い九州に海兵隊を配備した方がよいのではないのか、沖縄では遠過ぎるという御指摘ですけれども、九州に海兵隊が駐留した場合、沖縄と比較して朝鮮半島に近くなる一方で、それだけ台湾海峡、東南アジアといった地域からは遠ざかることになり、これらの地域における様々な事態への対処については遅れが生ずるものというふうに認識をいたします。
また、沖縄は南西諸島のほぼ中央にあり、我が国のシーレーンにも近い、周辺国から見ると、沖縄は、大陸から太平洋にアクセスするにせよ、太平洋から大陸へのアクセスを拒否するにせよ、戦略的な重要な目標となること、先ほども申し上げましたけれども、地理的な有利性を持っている。
しかしながら、九州は必ずしもそういった条件にはなく、これまでも政府として説明してきているとおり、沖縄には九州と比較しても一定の地理的な優位性があるというふうに考えているところでございます。

伊波洋一君

今、むしろ沖縄がということですけれども、さらに台湾有事の話まで出たんですけれども、実は、日米ではグアム移転協定が合意されていまして、九千人の海兵隊がグアムに移転するわけであります。
それが、いわゆる実戦部隊が移転をするということになりまして、今防衛大臣がおっしゃるようなことと逆のことが動いておりまして、グアム協定は、そもそもその中身が、日米両政府は、沖縄の海兵隊がグアムに移転することが抑止力の強化につながると両国は認識しているときちんと明文で書いてございます。
そのことに関して、ただいまの御発言は少しその認識とは違うのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

政府参考人(防衛省 前田哲君)

お答えいたします。
大臣御答弁申し上げたとおり、沖縄にはやっぱり一定の地理的な優位性があるというふうに考えてございます。そのことを前提として、日米間におきましても、現在、辺野古の移設というのが普天間飛行場の移設先としては唯一の解決策であると、このことは、累次にわたり日米間の間でも確認をしているところでありまして、必ずしも御指摘は当たらないのではないかと、このように考えます。

伊波洋一君

そこら辺のことはこれからまた議論させていただきますけれども、続けたいと思います。
一九九七年、配付してございます「統合エア・シー・バトル構想の背景と目的」の三ページの方にその抜粋書いておりますが、一九九七年の米国議会の決定によって設置された国防委員会が、「前方展開基地に対する脅威は今後ほぼ確実に増大し、二〇一〇年から二〇二〇年の間に現実のものとなるであろう。」、まさに今の北朝鮮ミサイルがそうでありますが、「米国は、将来の戦闘と迅速な戦力投射の要求に応えるため、新たな技術と軍の運用構想及び態勢の変革によって優位性を確保しなければならない。」と結論付けました。

そして、実際の米軍の配置のその後の動向はおおむねこれに沿って動いております。一つは、グアムへの米本土からの様々な原潜やあるいはステルス爆撃機などの配備でございます。あわせて、また、沖縄からの海兵隊の撤退、場所の変更でありますね。

この間の北朝鮮のミサイル問題は、沖縄に在日米軍基地が集中することの脆弱性をあらわにしていると思います。辺野古新基地計画は沖縄に地理的な優位性があることを前提としていますが、辺野古に新基地建設を強行するのは、再編計画の中で米軍自身が前方展開を今以上にセットバックする流れに逆行する動きではないかと考えます。防衛大臣の見解をお聞かせください。

防衛大臣(稲田朋美君)

普天間飛行場の移設、返還について、日米間では今年の二月の共同声明で首脳レベルで在日米軍の再編に対する日米のコミットメント、これを確認をいたしております。また、辺野古移設が普天間飛行場の継続的な使用を回避するため唯一の解決策であることも確認をいたしております。また、私としても、今月の日米防衛大臣会談など累次の機会に、辺野古への移設が唯一の解決策であることを確認してきているところでございます。

政府としては、普天間飛行場の固定化、これは絶対に避けなければならないという方針の下、約二十年越しの懸案である普天間飛行場の全面返還、この実現のために引き続き全力で取り組んでいく考えでございます。

伊波洋一君

確かに、辺野古新基地建設を日本政府のお金で日本政府がやることについてアメリカは文句は言っておりませんし、それをそのまま造らすという考えです。ところが、そこへ移るべき普天間の部隊は、もう既に二〇一二年に合意しておりますように、グアムやハワイやオーストラリア、この沖縄も含めて四か所に分散されるわけであります。
先ほど藤田委員も質問しておりました、これ一か所だからと言うけれども、既にもう分解しているんですね、グアム移転協定によって、その後のまた二〇一二年の合意によって、グアム一か所には置けないことにもなりまして、そういう現実はしっかりやはり見抜いていかなきゃいけないだろうと思います。
 
〔委員長退席、理事堀井巌君着席〕
 
中国だけでなく北朝鮮のミサイルの射程が延びることに伴って、抑止力の概念の再検討、日本の安全保障、日米の同盟関係の在り方の再検討が必要になってきているのではないでしょうか。資料にも最後の方に付けてありますが、かつて、小泉、福田、第一次安倍、麻生の各政権で、危機管理・安全保障担当だった内閣官房副長官補を務めた柳澤協二氏の近著「新・日米安保論」の中で、配付資料にありますように、アメリカが戦うとき、その戦場は日本だと指摘し、アメリカに守ってもらうためには、究極のところ、その覚悟が必要ですと警告しています。つまり、アメリカが覇権の戦争をするとき、日本は生存を懸けた戦争をすることになると指摘しているのです。

日米同盟の強化は必然的に軍事的一体化を進めることになりますが、南西諸島の自衛隊基地建設など、日本独自の軍備拡張を図り、日本の国土を戦場にして戦われる戦争は、一体何を守る戦争なのでしょうか。国民の生命や財産を守るという本来の安全保障とは懸け離れており、根本的に間違っているのではないでしょうか。

七月には防衛大臣、トランプ政権発足後初めて2プラス2が開催されると聞いております。同盟の在り方を見直して、辺野古移設計画の見直しを提起すべきではないでしょうか。

防衛大臣(稲田朋美君)

我が国を取り巻く安全保障環境に関して、今委員が御指摘になったように、北朝鮮の核、ミサイルの開発、そしてこれは新たな段階の脅威に入っているというふうに認識をいたしております。さらに、中国による軍事力の広範かつ急速な強化、我が国周辺海空域での活動の活発化などは我が国の安全保障上の懸念になっているなど、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増していると考えます。

このような中の我が国の防衛、どうあるべきかですけれども、安全保障の根幹となるのは自らの努力であるとの認識に基づき、防衛力、質量両面で強化をする、そして自らが果たし得る役割の拡大を図りつつ、防衛協力の強化を通じて、日米間の適切な役割分担に基づいて、同盟全体の抑止力、対処力を強化していく考えをいたしております。
 
今月三日の日米防衛大臣会談でも、この日米同盟の抑止力、対処力、一層強化する必要があるという認識で一致をしているところです。

また、普天間飛行場の移設・返還については累次の機会に、先ほども御答弁いたしましたように、辺野古への移設が唯一の解決策であるということを確認してきており、見直すといった考えはございません。

なお、2プラス2の閣僚会合についてお尋ねがございましたが、早期開催に向け引き続き調整を進めることで一致をいたしておりますけれども、開催日程などについては現時点で決まったものがあるというわけではないということでございます。

伊波洋一君

まさに防衛大臣がおっしゃるように、中国の大国化、そして軍備の増強というのは進んでいきます、今後も進んでいきます。アメリカも経済的には追い抜くでありましょう、もうドルベースでも追い抜くでありましょう。私たちはその隣にいるんですね。そして、その中で日米同盟が一体化して、いざというときに何が起こるかというと、まさに戦争ですけれども、その戦争が起こる場所として日本や南西諸島があるということを認識しておかなきゃいけないということなんです。つまり、そのような戦略の中に私たちが居続けていいのかという問いがここにあります。

やはり柳澤さんの著書の最後の方を読んでいただきたいと思いますが、これも引き続きこれからも議論していきたいと思います。次回もあります。というのは、今アメリカで沖縄から移っていく海兵隊の居場所そのものが不透明になっておりますので、そこをどこへ持っていくかということが問われています。まさに沖縄だけではないんですね。沖縄に戻すという議論はないです。そういうことを考えて議論をするべきだと思います。

次に、日印原子力協定に関してお聞きします

 協定では、第四条においてIAEAの保障措置が適用されることを要件として行うと規定するなど、IAEAの保障措置の適用を重視しており、日本独自の査察も実施されません。保障措置の対象はインドの二十二の民生用施設だけであり、八つの原発を含むその他の施設は保障措置がされず、軍事用ではないかと言われています。

そこで質問いたします。
協定において、軍事用施設についても日本独自の査察や検認などのより厳格な核管理を定めることもできたのではないでしょうか。どうして規定しなかったのでしょうか。

政府参考人(外務省 梨田和也君)

インドと各国との原子力協定は、インドによるいわゆる軍民分離を前提として原子力供給国グループが例外的に可能としたものであり、この協定の前提も同様でございます。

軍民分離により、インドにIAEA保障措置の外にある原子力施設があることは事実であります。しかしながら、インドを国際的な不拡散体制の全く外に置くよりも、インドの原子力施設を可能な限り民生用施設として特定してIAEAの保障措置下に置くと同時に、保障措置の外にある施設をできるだけ減少させること、これによって、軍事用に使用する可能性を減らし、インドの原子力活動の透明性を高めることが重要と考えております。

このように、インドを国際的な不拡散体制に実質的に参加させるための国際社会の重層的な取組を継続することによって、これからもインドへの働きかけを続けていきたいと考えております。

伊波洋一君

日本が原子力協力を行うとすれば、核軍拡につながらない、核拡散、核関連物質や技術の流出につながらないということは大前提だと思います。しかし、インドの軍事用施設についてはIAEA保障措置も我が国の査察や検認なども及びません。

質問です。

軍事用施設において、日本の協力に係る核物質や資機材が流用されたり日本の協力に係る核関連技術や技術者が流用されるおそれはないのでしょうか。民生用施設から軍事用施設への物資や技術、人材の行き来がないことをどのように確認するのでしょうか。

政府参考人(外務省 梨田和也君)

この協定は、インドに移転される核物質、資機材、技術等の平和的利用等を法的に確保するための枠組みです。

インドは、この協定の下、核物質等の平和的目的に限った利用、不拡散の義務を負うほか、協定が適用される核物質、設備、技術などは、協定第四条に基づき、保障措置の適用を常に受けることになっております。また、この協定は再処理を厳格な条件の下で認めておりますが、第二条四項に基づき、ウランの濃縮、使用済燃料の再処理などいわゆる機微な技術は、協定を改正しない限り移転されないこととなっております。さらに、第五条二項で、この協定の適用を受ける核物質の情報、適用を受ける設備、技術に関する情報、その他関連する情報を交換すると規定しておりまして、プルトニウム、ウランなどの種類別の情報なども把握することができるようになっております。

このように、この協定では移転される資機材などが平和的目的に限って使用され、さらに、協定が適用される核物質などに関する情報を把握できる仕組みが確保されており、軍事転用のおそれはないと考えております。

   〔理事堀井巌君退席、委員長着席〕

伊波洋一君

協定が成立すれば、日本から原発の輸出が可能になります。かつては輸出される原発の安全確認は原子力保安院が行っていました。保安院は経産省の下に置かれ、規制庁としての中立性が担保されなかったという福島原発事故の反省から、新たに専門的知見を有する独立した行政機関である原子力規制委員会が設立されました。しかし、今後の原発輸出に関して、内閣府の原子力施設主要資機材の輸出等に係る公的信用付与に伴う安全配慮等を確認する検討会議が安全確認を行うとされております。

質問です。

原発輸出を推進する立場の経済産業省も加わった検討会議に利益相反、中立性の問題はないのでしょうか。安全確認に原子力規制委員会は関与しないのか、また、その理由は何でしょうか。

政府参考人(内閣府 進藤秀夫君)

お答え申し上げます。
御指摘の安全配慮等確認は、原子力施設において使用される主要資機材の輸出等に対して公的信用を付与するに際しまして、公的信用付与実施機関からの求めに応じ、関係府省の審議官級の担当者により構成される検討会議が、一、相手国が安全確保に係る国際的取決めを遵守しているか、二、IAEA安全基準に従って規制を整備しているかを評価するIAEAレビューを相手国が受け入れているか、さらには、三、輸出を行う我が国メーカーが保守補修等の安全関連サービスを提供するための体制を整備しているか等の点について確認するものでございます。

御質問の検討会議につきましては、内閣府、内閣官房の各担当審議官のほか、財務省の国際局担当審議官、経済産業省の製造産業局担当の審議官、同じく経済産業省の貿易経済協力局担当の審議官により構成されます。このうち、経済産業省の二人の審議官はそれぞれ、先ほど申し上げました輸出メーカーによる保守補修等の安全関連サービスの提供体制を確認する役割と株式会社日本貿易保険を所管、監督する役割を担っておりまして、適切な情報収集及び実効性の確保の観点から不可欠と考えております。

なお、中立性を確保する観点から、原発輸出の推進を担当する経済産業省資源エネルギー庁の担当審議官は検討会議の構成員となっておりません。また、原子力規制庁につきましては、国内の原子力施設の安全確保を担う行政機関でございますので検討会議の構成員とはなっておりませんが、関係行政機関として、原子力安全条約上の国別報告書の作成状況や報告検討会合の概要、IAEAレビューミッションの受入れ状況に関する情報を必要に応じて検討会議に提供するという役割を果たすことになってございます。

以上のように、検討会議は、内閣府を中心としまして、中立性及び実効性を確保するために必要不可欠なメンバー構成により運営することとしております。
以上です。

伊波洋一君

検討会議は一応内部機関だということなんですね。批判はあるものの、国内原発に関して専門性を持った原子力規制委員会が、規制基準に照らして一つ一つ事業について全て公開で審査を行っています。検討会議もやはり一般公開をすべきではありませんか。

政府参考人(内閣府 進藤秀夫君)

御指摘の点についてですけれども、企業の営業秘密に属する事項が取り上げられる可能性があること、また、構成員間の自由闊達な意見交換を促進する観点から、検討会議は非公開とすることが適当と考えております。また、事後的に議事要旨等を公表することによりまして会議運営の透明性は確保できると考えているところでございます。

伊波洋一君

検討会議の実施要綱では、事業ごとの特性に即した確認を行うのではなく、相手国が原子力安全条約などの加入や加入意思を有しているのか、あるいはIAEA総合規制評価サービスの受入れを行っているかなどを表面的に確認するようです。検討会議は事業の特性や内容に即した具体的な確認を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

政府参考人(内閣府 進藤秀夫君)

 原子力施設の安全確保につきましては、当該施設の立地する国が責任を有するべきというのが国際的に確立した考え方でございまして、安全配慮等確認はこれを前提に、原子力資機材の輸出等に際して、輸出相手国における安全確保等のための条約への加盟状況や制度の整備状況等について事実関係を確認するものでございます。

また、原子力発電所の設置を伴う案件につきましては、相手国における原子炉の炉型の安全性や立地地点、プラントの運転体制等に関する評価を行う主要なIAEAレビューの受入れ状況及び関連する国内規制当局による許認可の状況についても確認することとしておりまして、個別具体的な案件ごとに確認が行われることになると考えてございます。

伊波洋一君

原子力安全条約を締結し、IRRSを受け入れていた我が国においても福島第一原発事故が起きました。国内向けには厳しい審査を行う一方、輸出については形式的な確認とIRRSだけで十分とするのは輸出国として極めて無責任と言わざるを得ません。

現在、原発輸出への融資に関し、国際協力銀行、JBICと、日本貿易保険、NEXIが原子力関連プロジェクトに係る情報公開指針を策定中と聞いています。JBIC、NEXIは、火力発電所や水力発電所など他の海外大型プロジェクト支援の際には、それぞれ環境社会配慮ガイドラインに基づき、プロジェクトの安全性や住民に及ぼす影響を含めた審査を行っています。

そこで質問です。
JBIC、NEXIは融資者として安全性や住民に及ぼす影響も含めて審査を行うべきと考えますが、どのような審査を行うのでしょうか。

参考人(株式会社国際協力銀行 林健一郎君)

お答え申し上げます。
JBICとしましては、原子力関連プロジェクトに関する情報公開が重要であると、こういった認識から、環境社会配慮ガイドラインを補完するものとして原子力関連プロジェクトに係る情報公開指針の作成を現在目指しているところでございます。

原子力関連プロジェクトにおいては、プロジェクトの安全性の確保、事故時の対応、放射性廃棄物の管理等に関して現地住民に適切に情報が公開されることが重要であるとの認識を持っておりまして、情報公開指針の策定に向けて、二〇一五年の十二月から現在まで五回にわたってコンサルテーション会合を実施してきておりまして、NGOの皆様、産業界の方々など幅広い参加を得て協議、検討を進めているところでございます。

原子力関連プロジェクトの支援を検討するに当たっての審査の点でございますけれども、融資者として、プロジェクトの実現可能性、また融資返済の蓋然性等を審査するとともに、環境面に関しましては環境社会配慮ガイドライン、加えまして、今後策定していく情報公開指針に基づいて環境社会配慮や情報公開の状況について審査することにしております。

他方で、安全性の確認に関しましては、原子力主要資機材の輸出等に係る公的信用付与に伴う安全配慮等確認の実施に関する要綱に基づきまして、政府において安全配慮等の確認が行われるものと承知しております。

参考人(株式会社日本貿易保険 板東一彦君)

日本貿易保険は、言わば民間の金融機関に対する保険の引受けでございまして、JBICは直接のダイレクトローンという違いはございますが、基本的に私ども公的な信用という意味では同じでございます。

私どもも、個別の引受けに当たりましては、ただいまJBICから御説明がありましたような基本的には同じポジションでございまして、委員の御指摘がございましたような環境社会配慮ガイドライン、こういったものに付け加えまして、原子力発電の輸出、原子力関連プロジェクトの輸出に伴いまして必要な情報開示につきましては、コンサルテーション会合で今御議論いただいておりますが、その結果を踏まえまして、個別に厳正に確認し審査をしてまいりたいと考えております。

委員長(宇都隆史君)

時間が参っておりますので、おまとめください。

伊波洋一君

唯一の戦争被爆国であり、また東電福島第一原発事故を経験した日本として、輸出する際には、是非JBIC、NEXI、それぞれ今申し上げたような厳しい環境社会配慮ガイドラインを作り、そして日本としてのその役割を果たしていただくようお願いして、終わりたいと思います。